トヨタ・ランドクルーザー250

トヨタ ランドクルーザー250：原点回帰と進化

トヨタ・ランドクルーザー250は、長年愛されてきたランドクルーザープラドの後継モデルとして、2023年8月に世界初公開されました。従来のプラドが高級化路線を進む中で、250は「多くの人々の生活と実用を支えるクルマ」という原点に立ち返り、開発されました。

プラドからの脱却、そしてランクルの中核へ

これまでランドクルーザープラドは、ランドクルーザーのステーションワゴン系サブシリーズという位置づけでしたが、250はランドクルーザーの中核モデルへと進化しました。これにより、ランドクルーザーは、タフで高級なフルサイズフラッグシップ「300」、プロ向けのヘビーデューティー「70」、そしてポピュラーなライトデューティー「250」と、各シリーズの方向性がより明確化されました。プラドというサブネームを廃止した背景には、こうした戦略的な意図があります（ただし、オーストラリアなど一部地域では「プラド」の名称が残ります）。

デザイン：機能美への回帰

エクステリアは、3代目レクサス・GXと同様に直線基調のデザインが特徴です。華美な装飾を避け、プロの道具としてのシンプルさ、そして飽きのこない洗練された機能美を追求しています。インテリアも水平基調で、悪路での視認性に優れた低いベルトラインや、確実な操作が可能なスイッチ類など、オフローダーとしての機能性を重視したデザインとなっています。先代までの豪華さとは一線を画し、実用性を重視した設計思想が反映されています。

プラットフォームとボディサイズ

ランドクルーザー300系と同じGA-Fプラットフォームを採用し、ボディサイズは全長4,925mm、全幅1,980mm、全高1,870mmと、先代モデルに比べて拡大されました。ホイールベースも2,850mmと延長され、居住性と走行安定性の向上が図られています。また、バックドアは従来の観音開きや横開きから、跳ね上げ式に変更されました。

多彩なパワートレーンとグレード

ランドクルーザー250では、ランドクルーザーシリーズ初のハイブリッドシステムを含む、5種類のパワートレーンが用意されています。日本国内では、2024年4月18日に正式発表され、同日より発売が開始されました。グレード体系は、5人乗り仕様の「GX」、7人乗り仕様の「VX」と「ZX」の3種類です。パワートレーンは、2.8Lディーゼルターボと2.7Lガソリンの2種類が導入され、ガソリンエンジン車は「VX」のみの設定となります。発売を記念した特別仕様車「First Edition」も、8,000台限定で発売されます。

まとめ

ランドクルーザー250は、原点回帰をコンセプトに、ランドクルーザーの新たな時代を切り開くモデルです。高い走破性と耐久性、そして実用性を兼ね備え、世界中の様々な環境で活躍することが期待されます。伝統を守りつつ、新たな技術を取り入れ、進化を続けるランドクルーザー250は、多くの人々にとって頼りになる相棒となるでしょう。

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