トヨタ・H型エンジン

トヨタ・H型エンジン

トヨタ・H型エンジンは、1969年から1990年までの約21年間にわたって製造されたトヨタ自動車の水冷直列6気筒ディーゼルエンジンのシリーズです。このエンジンは、特に商業車およびオフロード車両において広く活用され、その性能と耐久性が多くのユーザーから高く評価されました。

概要

H型エンジンは、オーバーヘッドバルブ（OHV）方式で、12バルブの過流室式設計が特徴です。エンジンの排気量は数種類あり、代表的なものには3.567Lと3.980Lが存在します。具体的には、初期型の「H」エンジンは、排気量3.567Lで、内径88.0mm、行程98.0mm、圧縮比21.0という仕様を持ち、最大出力は67kW（91PS）で、最大トルクは204N·m（20.8kg·m）を達成しています。

その後、排気量を増加させた「2H」エンジンも登場し、こちらは3.980Lで、内径91.0mm、行程102.0mm、圧縮比は20.7に設定されています。このエンジンは、最大出力81kW（110PS）、最大トルク240N·m（24.5kg·m）を実現し、主にランドクルーザー40系ロング（HJ47）や60系モデルで使用されました。これらのエンジンの設計には、高い耐久性と信頼性を提供するための技術が盛り込まれており、過酷な環境下でも安定した性能を発揮することができます。

ターボエンジンの進化

さらに進化した型式として、12H-Tがあります。このエンジンは直接噴射式のターボチャージャーを備えており、特にランドクルーザー60系（HJ61G・V）やコースター20、30系に搭載されました。ターボ付きのバージョンは、パワーとトルクの向上に寄与し、運転性能の向上と燃費の改善を同時に実現しました。

用途

H型エンジンは、主にトヨタのランドクルーザーシリーズやダイナトラック、ウエポンキャリアなどの商用車およびオフロード車両に採用されてきました。特に、ランドクルーザーは、厳しい走行環境や長距離移動においてもその耐久性と信頼性が求められるため、H型エンジンの搭載はその人気の一因と言えるでしょう。

関連エンジン

トヨタ・H型エンジンには、同社の他のエンジンシリーズであるHZエンジンやHDエンジンとも直接関係があります。それぞれのエンジンは、異なる特性を持ちながらもトヨタのエンジン型式命名規則に則っており、ユーザーに多様な選択肢を提供しています。また、トヨタのエンジン型式一覧を見れば、H型エンジンの系譜を辿ることができ、トヨタ自動車のエンジン技術の進化を感じることができます。

まとめ

トヨタ・H型エンジンは、商業車やオフロード車両における信頼性とパフォーマンスを提供し、1969年から1990年まで多くのモデルに搭載されてきました。ターボエンジンを含むシリーズは、今なお高い評価を受け続けており、その影響力は自動車業界において根強いものがあります。

もう一度検索