トヨタ・MR2

トヨタ・MR2の概要

トヨタ自動車が1984年から1999年まで製造したMR2（エムアールツー）は、クーペ型のスポーツカーであり、日本市場における初の市販ミッドシップ車として名を馳せました。このモデルは、デザインと技術の革新を通じて、スポーツカー愛好者の間で高い人気を誇りました。

初代MR2（AW10/11型）

初代MR2は1984年に登場し、その開発は1979年に豊田社長が社内での「常識を超えたクルマを作るべき」という言葉からスタートしました。1983年に東京モーターショーで概念車SV-3が発表され、翌1984年に素早く量産車としての販売が実現しました。このモデルは、1984年度の日本カー・オブ・ザ・イヤーを受賞したほか、北米でも1985年にカー・オブ・ザ・イヤーを獲得しました。

MR2の設計には、コスト効率を考慮し、既存の前輪駆動車の部品を流用しました。一部では、フィアット・X1/9|フィアット・X1_9やポンティアック・フィエロといった他社の車両が開発の参考にされたとも言われています。さらに、トヨタは英国のロータスと一時期技術提携を結んでおり、その影響もあったと伝えられています。1986年には大規模改良が行われ、スーパーチャージャーなど新装備が追加された後期型が登場しました。最終型では、電動格納ドアミラーの追加や内装の変更が行われました。

生産は1989年に終了し、その後も中古車市場で取引され、必要な部品の供給は長く問題なく行われていましたが、20年以上経過した現在では、部品の供給状況が厳しくなってきています。特に内外装部品は廃番となることが多く、中古パーツの価格も高騰しています。

2代目MR2（SW20型）

1989年には、初のモデルチェンジとなるSW20型が登場しました。新型は大型化したセリカやコロナをベースとし、エンジンは2000ccのターボチャージャー付きモデル（3S-GTE型）と自然吸気仕様（3S-GE型）を搭載。さらに、先進的なステアリング連動フォグランプがありましたが、車重の増加やステアリングの問題も指摘されました。

1991年に行われたマイナーチェンジでは、サスペンションやブレーキシステムの改善が重視され、より高い評価を受けることとなりました。この改良により、特にターボグレードのGT系はスポーツ走行において申し分のない性能を発揮しました。

続く1993年の3度目のマイナーチェンジでは、エンジンがより強化され、ターボモデルの出力が向上しました。それでもバブル崩壊の影響で販売台数は伸び悩み、MR2は1999年に生産を終了しましたが、その魅力は今でも色あせることはありません。

MR2の名残と影響

MR2は、当時の日本の自動車技術の集大成であり、数々のスポーツカーの基盤となりました。特に初代MR2は、日本の自動車史において非常に重要な位置を占め、新たな自動車のスタイルや技術を確立しました。現在も多くのクラシックカー愛好者に愛されており、イベントなどでその姿を見かけることもあります。

さらに、MR2はトヨタの後継車両であるMR-Sや、さまざまな派生モデルに多大な影響を与え続けています。ターボモデルやリミテッド仕様車は特に人気で、近年ではレストアやカスタマイズが盛んに行われており、今後もその魅力は色あせることはないでしょう。

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