トヨタ・TF101

トヨタ・TF101について

トヨタが2001年に開発したフォーミュラ1カーであるTF101は、トヨタ初のF1カーとして注目を集めました。このモデルは、F1への本格参戦を目指してテスト専用に設計されており、実戦には投入されていません。TF101は時にAM01とも呼ばれ、その独特なデザインと性能向上への試みで多くの関心を集めました。

開発の背景

TF101は、ドイツのケルンに拠点を置くトヨタ・モータースポーツGmbH（TMG）によって、19カ月かけて開発されました。デザインはTS020のデザイナーでもあるアンドレ・ド・コルタンツが担当し、シンプルなシャーシ設計が特徴です。このシャーシでは、ラジエターダクト内部が縦に分割されている点が特に目を引きます。また、エンジンには自社製のV型10気筒エンジンを搭載しており、当初予定されていたV型12気筒エンジンから変更された経緯があります。この変更は、F1レギュレーションの改定に伴うものでした。

テスト活動

トヨタは、ポール・リカール・サーキットをテスト拠点として選び、F1開催国の11つのサーキットで計3000ラップ以上、総距離で20,967㎞に及ぶ大規模なテストを行いました。このテストのドライバーは、ミカ・サロとアラン・マクニッシュが務め、彼らの運転によってさまざまなデータが収集されました。タイヤにはミシュランを使用し、同時期にF1に復帰したミシュランにとっても非常に重要なデータを得る機会となりました。

テスト期間中、トヨタ側は多くのデータを収集する一方で、他のF1チームからは反発の声も上がりました。しかし国際自動車連盟（FIA）は、トヨタのテストがレギュレーションに則ったものであると認め、「正式エントリー前のテスト活動」であると判断しました。これにより、トヨタはテスト活動を続行できましたが、正式エントリー後はテストを控えることになりました。

設計の見直しと後の車両

TF101は、デザインが旧式であったことやテスト結果が思わしくなかったことから、開発度合いが期待を下回る結果に終わり、コルタンツは開発から外れました。その後、ミナルディのチーフデザイナーであるグスタフ・ブルナーがその後任として迎え入れられました。ブルナーによって新しいデザインが施されたTF102が2001年末に発表されました。

スペック

TF101の主な技術仕様は以下の通りです。

• - 全長: 4,620 mm
• - 前トレッド: 1,450 mm
• - 後トレッド: 1,390 mm
• - ホイールベース: 3,120 mm
• - ブレーキ: ブレンボ
• - ホイール: BBS
• - エンジン: RVX-01

このように、トヨタ・TF101はF1の舞台での挑戦の一環として大きな役割を果たしました。その後の開発で得た教訓やデータは、F1での競争力を高める一助となったことでしょう。

参考文献

• - TF101 - トヨタモータースポーツ F1アーカイブ
• - TF101 Evolution at Toyota F1 official site
• - TF101 Facts at f1db.com

もう一度検索