トライネットエンタテインメント

トライネットエンタテインメント株式会社

トライネットエンタテインメント株式会社（TRINET ENTERTAINMENT, Inc.）は、日本のアニメーション制作に特化した企業で、かつて存在していました。1991年に「ビズインターナショナル」と名乗り、アニメ関連のマーチャンダイジングを中心に事業をスタート。その後、2004年に現在の社名に変更し、本格的にアニメ制作事業に参入しました。

歴史と変遷

設立当初は日本出版販売とアミューズソフトエンタテインメントの株主に支えられており、特に日本出版販売の子会社として成長しました。2008年には日本出版販売が同社の株式を完全に取得し、トライネットエンタテインメントは完全子会社となり、会社の体制が強化されました。これにより、より多くのリソースを用いてアニメ制作を行うことが可能になりました。

2004年から2007年の期間には、ケイエスエスという制作会社で名を馳せたプロデューサーの大宮三郎とディレクターの飯塚康一が在籍しており、このコンビのもとで人気の美少女アニメを多く制作しました。彼らの関与により、トライネットは特に若年層向けのコンテンツに焦点を当て、幅広い作品を生み出しました。

作品の特徴

トライネットエンタテインメントのアニメ作品は、特にUHFアニメ（独立局で放送されるアニメ）に注力していました。代表的な作品としては、2004年に放送された『プリンセスアワー』や『φなる・あぷろーち』などがあります。さらに、2005年には『おでんくん』や『こいこい7』といった多様なジャンルのアニメを制作し、放送業界での存在感を高めました。

その後も新たな作品が次々と登場し、特に美少女アニメを中心に、視聴者のニーズに応える形で制作が続けられました。また、子供向けのコンテンツとして「TRIKIDS」シリーズや映画作品の配給も行うなど、その活動は多岐にわたりました。

合併と消滅

トライネットエンタテインメントは、2009年に日本出版販売の完全な子会社となった後、日販運輸および日販製函と合併しました。この合併により、新たに「日販物流サービス」という社名になり、トライネットエンタテインメントとしての歴史は幕を閉じました。これによって、同社はメディアアートの領域での存在を消滅させることとなりましたが、彼らが手掛けた数々の作品は多くのファンの心に残っています。

特筆すべきクリエイターたち

大宮三郎と飯塚康一のコンビはそのユニークなスタイルでファンに愛され、彼らをフィーチャーしたラジオ番組なども放送されていました。ファンからは親しみを込めて「サブちゃん」というニックネームで呼ばれるほどでした。このようなクリエイターたちの個性的な関わりが、トライネットエンタテインメントの作品における独特の雰囲気を生み出していました。

この会社は、アニメ業界の成長に寄与し、多様性に富んだ作品を世に送り出した重要な存在であり、その活動によって新たなファン層の獲得にも貢献していました。

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