トラピーズ

トラピーズ (Trapeze)

トラピーズは、1969年にイギリスで結成されたロックバンドです。ムーディー・ブルースが設立したスレッショルド・レコードからデビューし、当初はプログレッシブ・ロック色の強い音楽性を持っていました。

歴史

1969年 - 1973年：結成と初期

1970年に3ピース編成となったのを機に、ソリッドなハードロックへと音楽性を大きく変化させました。ファンク、ソウル、R&Bをミクスチャーした独自のロックは、当時としては非常に先進的なものでした。しかし、大きな商業的成功には繋がらず、メンバーの脱退が相次ぎました。1969年のオリジナル・メンバーは、ジョン・ジョーンズ（ボーカル）、テリー・ローリー（ギター・キーボード）、メル・ギャレー（ギター、ボーカル）、グレン・ヒューズ（ベース、ボーカル）、デイヴ・ホランド（ドラムス、パーカッション）の5人でした。

1970年5月、セルフタイトルのデビュー・アルバムをリリース。しかし、間もなくジョーンズとローリーが脱退し、ギャレー、ヒューズ、ホランドのトリオ編成となります。同年11月には2ndアルバム『メデューサ』を発表し、バンドは1973年前半までイギリスとアメリカ南部でツアーを行いました。

1972年には『連動』をリリースしますが、1973年にグレン・ヒューズがディープ・パープルに加入するために脱退。ヒューズの脱退後、バンドの知名度とセールスは徐々に向上しました。

1974年 - 1977年：ハードロック路線への移行

1974年には、ヒューズ在籍時の音源によるコンピレーション・アルバム『ザ・ファイナル・スイング』をリリース。同年、ロブ・ケンドリック（ギター）とピート・ライト（ベース）が加入し、『ホット・ワイヤー』(Hot Wire)を、1976年には2度目のセルフ・タイトル・アルバムを発表し、ハードロック路線を強化しました。

1976年後半には、ギャレー、ヒューズ、ホランドのトリオ編成が短期間復活しますが、ヒューズはアルバム制作前に再び脱退しています。

1978年 - 1982年：解散

1978年、ピート・ライトが復帰し、ピート・ゴールビーが加入してニューアルバム『ホールド・オン』をリリース。1979年にはホランドがジューダス・プリーストに移籍。オリジナル・メンバーはギャレーのみとなり、スティーヴ・ブレイが加入して『ライブ・イン・テキサス－デッド・アルマジロ』を発表しました。

1981年にゴールビーがユーライア・ヒープに移籍。ギャレーはマーヴィン・スペンス、リチャード・ベイリーを加えてツアーを行いましたが、ギャレー自身がホワイトスネイクに移籍することになり、1982年にトラピーズは解散しました。

1990年代以降：再結成

1991年、ギャレー、ヒューズ、ホランドのトリオにエイジアのジェフ・ダウンズを加えた4人組で再結成し、ライブ・アルバム『ウェルカム・トゥ・ザ・リアル・ワールド』を発表。

1994年2月には、レイ・ギランの追悼コンサートでギャレー、ヒューズ、ホランドのトリオが再々結集しました。2003年にはコンピレーション・アルバム『オン・ハイ・ワイヤー』がリリースされています。

2008年7月1日にメル・ギャレーが死去。2018年1月16日には、デイヴ・ホランドが亡くなりました。トラピーズの楽曲は、グレン・ヒューズによってライブで演奏されています。

音楽性

初期はプログレッシブ・ロックでしたが、トリオ編成後はハードロックへと移行。ファンク、ソウル、R&Bの要素を取り入れた独自のサウンドが特徴です。

メンバー

数多くのメンバーチェンジを経ています。

ディスコグラフィー

オリジナル・アルバム
『トラピーズ』 (1970年)
『メデューサ』 (1970年)
『連動』 (1972年)
『ホット・ワイアー』 (1974年)
『トラピーズ』 (1976年)
『ホールド・オン』 (1979年)
ライブ・アルバム
『ライブ・イン・テキサス－デッド・アルマジロ』 (1980年)
Welcome to the Real World - Live 1992 (1993年)
Live: Way Back to the Bone (1998年)
『ライヴ・アット・ザ・ボート・クラブ 1975』 (2005年)
コンピレーション
The Final Swing (1973年)
Way Back to the Bone (1986年)
High Flyers: The Best of Trapeze (1996年)
* On the Highwire (2003年)

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