トラファルガー (アルバム)

ビージーズ『トラファルガー』解説

『トラファルガー』は、ビージーズが1971年に発表した9枚目のアルバムです。アメリカでは同年9月、イギリスでは11月にリリースされました。このアルバムは、ビージーズにとって重要な転換期を示す作品であり、彼らの音楽性をさらに深化させたことで知られています。

背景とレコーディング

前作『トゥー・イヤーズ・オン』のレコーディング後、短い期間を経て本作の制作が開始されました。1971年1月には、モーリス・ギブがルルのシングル「エヴリバディ・クラップ」に、ジャック・ブルース、ジョン・ボーナムらと参加するなど、メンバーはソロ活動も並行していました。

また、『トゥー・イヤーズ・オン』に伴うツアー後、ギタリストのアラン・ケンドールがバンドに加入。彼はその後、2001年の最後のアルバムまでビージーズのリードギタリストを務めることになります。レコーディングは1971年1月28日に始まり、「ウィ・ロスト・ザ・ロード」、「ホエン・ドゥ・アイ」、「傷心の日々」などが録音されました。4月までレコーディングは続けられましたが、最終的にアルバムに収録されなかった楽曲も存在します。

音楽性と特徴

『トラファルガー』は、ビージーズの音楽的な多様性を示す作品であり、バラード曲の美しさが際立っています。特に、リードシングルの「傷心の日々」は、アメリカでビージーズ初のナンバー1シングルとなり、彼らの人気を決定づけました。また、「過ぎ去りし愛の夢」や「イスラエル」など、多様な楽曲が収録されています。

収録曲

A面

1. 傷心の日々 - How Can You Mend a Broken Heart
2. イスラエル - Israel
3. グレーテスト・マン - The Greatest Man in the World
4. ジャスト・ザ・ウェイ - It's Just the Way
5. 想い出 - Remembering
6. サムバディー・ストップ・ザ・ミュージック - Somebody Stop the Music

B面

1. トラファルガー - Trafalgar
2. 過ぎ去りし愛の夢 - Don't Wanna Live Inside Myself
3. ホエン・ドゥ・アイ - When Do I
4. 可愛い君 - Dearest
5. ボクはライオン - Lion in Winter
6. ワーテルローへ戻ろう - Walking Back to Waterloo

参加メンバー

バリー・ギブ — リードヴォーカル、ハーモニーヴォーカル、バッキングヴォーカル、ギター
ロビン・ギブ — リードヴォーカル、ハーモニーヴォーカル、バッキングヴォーカル
モーリス・ギブ — ハーモニーヴォーカル、バッキングヴォーカル、ベース、ピアノ、ギター、オルガン、リードヴォーカル、ドラム
ジェフ・ブリッジフォード – ドラム
アラン・ケンドール — ギター
ブライアン・スコット — エンジニア
* ビル・シェパード — オーケストラアレンジメント

チャート成績

アルバムはアメリカで最高34位を記録し、まずまずのヒットとなりました。しかし、リードシングルの「傷心の日々」は、アメリカでナンバー1を獲得する大ヒットとなりました。

まとめ

『トラファルガー』は、ビージーズの音楽的な才能が結集した作品であり、「傷心の日々」の大ヒットによって、彼らの人気を不動のものとしました。アルバム全体を通して、美しいメロディとハーモニーが堪能できる、聴きごたえのある一枚です。

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