トランギア

トランギア（Trangia）とは

トランギアはスウェーデンのトラングスヴィッケンに本社を置く、ポータブルストーブとその関連製品を専門に製造する企業です。1925年の創業以来、トランギアはアルコール燃料を使用するストーブを展開し、特にバックパッカーやアウトドア愛好者から高い支持を受けています。主な製品群は、ストーブ本体のほかに調理器具、鍋、フライパンなど多岐にわたります。

軽量で堅牢な設計

トランギアのストーブは軽量かつ堅牢な設計に特化しており、主に屋外で使用されることを念頭に置いています。特に注目すべきは、その単純で効果的な構造です。初代モデルは、当時主流だった加圧式ケロシンストーブに代わり、アルコール燃料を利用することで高い人気を博しました。トランギアのストーブには、一般的なキャンプ用鍋よりも小型な鍋が付属されており、使い勝手が良く、多くのユーザーによって重宝されています。

核心となるバーナー

トランギアのストーブにおける中心的な部品はバーナーです。バーナーは真鍮製で、外見はアルコールストーブに似ているものの、独自の機能を持ちます。燃料を注ぎ入れ点火することで、安定した火力を得ることが可能です。バーナーの上部には23から24の穴があり、そこから炎が噴出し、調理に最適な熱が生まれます。また、バーナーには取り外し可能なシマーリング（Simmer Ring）が付属し、これにより炎の外部拡散を抑えることができます。加えて、バーナーには燃料を保存できる密閉式の蓋がついています。

ストーブの構成と特徴

標準的なストーブセットには、バーナーに加え、台座やビリーカン（携帯用鍋）が含まれています。台座はバーナーと地面の間に空間を生み出し、空気の流入を助けると同時に風防としての役割も果たします。これにより、安定した調理が可能になるのです。また、あらゆる種類の鍋やフライパンに適した取っ手「ビリーグリップ」もオプションで提供されています。

多様な商品展開

トランギアは、様々なサイズや仕様のストーブセットを展開しています。特に小型のモデル「ミニトランギア」は、携帯性に優れた製品であり、特にバックパッカーに人気です。しかし、風に対する耐性は標準サイズのモデルに比べると劣るため、使用環境には注意が必要です。

調理器具の進化

トランギアの鍋やフライパンは、初期のモデルがアルミ製であったため、食材がくっつく問題がありました。その後、テフロン加工が施された製品や、より耐久性のあるチタン製や超軽量アルミニウム製の商品が登場しましたが、これらもそれぞれに課題を抱えており、現在では調理面にステンレス鋼を使用した「デュオスサル」と呼ばれる新たな商品も提案されています。

日本での展開

トランギア製品は、日本国内でも専門の代理店を通じて取り扱われており、アウトドアやキャンプのニーズに応じた商品が幅広く揃っています。特にメスティンシリーズは、炊飯から炒め物までこなすことができる万能クッカーとして人気を集めています。

トランギアは、シンプルで使いやすいデザインと高い機能性で、アウトドア愛好者に多くの選択肢を提供するブランドとして知られています。

もう一度検索