トランシーバー (無線機)

トランシーバーとは

トランシーバー（transceiver）は、無線電波の送信と受信の両方の機能を持つ機器や回路を指します。この言葉は、送信機を意味する「transmitter」と受信機を意味する「receiver」を組み合わせて作られた造語です。一般的に、トランシーバーは送信機と受信機が一体化されており、その多くは共通の回路部分を共有しています。そのため、トランシーバーという用語は固定型（据え置き型）および携帯型（ハンディ型）の両方に適用されます。特に無線通信に詳しくない人には、携帯型のものだけをトランシーバーと考える誤解が見られますが、トランシーバーは形状にかかわらず、送信と受信の機能を持つ機器を指します。

分類・種類

トランシーバーはさまざまな方法で分類されます。例えば、サイズや形状、使用方法によって「固定機」「ポータブル機」「ハンディ機」などに分けることができます。特に車両に取り付けて使用するものは「モービル機」と呼ばれ、さらに航空機用や船舶用など、使用する場所に応じた分類も存在します。電波形式によっても分類可能で、アマチュア無線のように多様な電波形式をサポートするものが多く見られます。

固定機

固定機は、デスク上などに設置して使用するタイプのトランシーバーです。たとえば、海岸局では通信卓と呼ばれる設備があり、通信卓には受信機が設置されます。電源は主に直流13.8Vの安定化電源を必要とする場合が多いです。

ポータブル機

ポータブル機は固定機よりも小型で、可搬型の無線機として業務無線で広く使用されています。肩に掛けられるベルトが付属し、バッテリーで運用できるモデルが一般的です。

ハンディ機

ハンディ機は、片手で持って使用できる小型のトランシーバーです。近年ではリチウムイオン電池を搭載したモデルが多くあり、持ち運びに便利です。

モービル機 ・航空無線機・船舶無線機

モービル機は自動車に取り付けて使用するもので、航空無線機や船舶無線機はそれぞれの乗り物に特化したものです。これらはそれぞれの利用環境に合わせて設計されています。

機能

トランシーバーには多くの機能があります。これには複数の周波数を迅速に切り替えられる設定機能や、音声のノイズを低減するノイズブランカー、受信感度を調整するための機能などが含まれます。特に、周波数を設定するためのダイヤルやテンキー、サムホイールなどの操作があり、選択肢が豊富です。

送受信の切り替え

トランシーバーでは、送信と受信を切り替えるためにPTTスイッチが使用されます。押すことで送信し、離すことで受信状態に移行します。さらには、音声感知で自動的に切り替えるVOX機能などもあります。

接続端子

トランシーバーには様々な端子が装備されており、外部機器との接続が可能です。例えば、電源端子、アンテナ端子、マイク端子などがあり、それぞれの役割に応じて外部機器を接続することができます。

付加装置

トランシーバーは、多くの付加装置を接続して機能を拡張できます。送信電力を増幅するパワーアンプや、受信感度を向上させるプリアンプ、周波数の変換を行うトランスバーターなどが代表的です。

まとめ

トランシーバーは、無線通信において非常に重要な役割を果たしている機器です。その多様な種類や機能は、様々な利用シーンに応じた技術を提供します。

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