送信機

送信機の概要

送信機は、無線通信において情報を送信するための装置で、一般に高周波エネルギーを発生させる機能を持ちます。日本では主に電波を利用した送信機が指されることが多く、法律的には「送信装置」と定義されています。英語では「Transmitter（トランスミッター）」と呼ばれることが一般的です。送信機は、信号を受信する装置である受信機と対となります。

構成要素

送信機は、基本的にいくつかの主要な回路によって構成されます。

1. 発振回路: 信号源として高周波信号を生成します。これには、水晶発振器や自励発振器などが使用されることが一般的です。
2. 増幅回路: 発生させた信号を必要な電力まで増幅する役割を果たします。特に、振幅変調を用いた場合は、信号の直線性を保持するために直線増幅器が使われます。
3. 変調回路: 要求される形式に応じて信号を変調し、情報を高周波信号に載せる重要な役割があります。アナログ方式では、振幅変調や周波数変調などの手法が用いられています。

変調方式

送信機の変調方式にはいくつかのタイプがあります。

• - 陽極変調: 主に振幅変調（AM）に用いられ、搬送波信号の振幅を変えることで情報を伝達します。
• - 平衡変調: SS-DSBの変調方式に使われ、搬送波を完全に取り除くことができます。
• - リアクタンス変調: 周波数変調（FM）によく用いられ、発振回路の電極間容量を変えて周波数を変調します。
• - パルス変調: 高周波のパルスの特性を変えることで情報を伝送します。

代表的な用途

送信機は、地上テレビ放送やレーダー、さらにはラジコンなど多様な分野で使用されています。例えば、日本の地上テレビ放送において、映像信号を送信するために異なる変調方式が活用されています。レーダー送信機では、精度の高い情報をリアルタイムで伝送するために特化した技術が求められます。

規制と安全性

日本では、送信機に関する法律（電波法）により、出力電力や周波数の許容範囲、安全基準が厳格に設定されています。万が一、電波が適切に管理されない場合、火災や感電などのリスクが生じるため、保安装置や警報システムの導入が重要です。これにより、使用者と周囲の人々の安全が守られています。

送信機の性能評価

送信機の性能は、様々なテスト項目によって評価されます。代表的な試験項目には、周波数の偏差、占有周波数帯幅、空中線電力の偏差などがあります。これらの項目は、送信機の種類や利用される電波の型式によって異なります。

結論

送信機は、無線通信に欠かせない重要な装置であり、さまざまな構成要素と変調方式によって情報を正確かつ効率的に送信します。今後も技術の進展とともに、新たな使用方法や規制が設けられ、ますます広範囲に利用されることでしょう。

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