トランスビュー

株式会社トランスビュー

株式会社トランスビューは、日本における出版業界において独特の地位を築いている出版社です。2001年4月に、中嶋廣（編集担当）と工藤秀之（営業担当）が設立しました。彼らは、法藏館から独立して新たなビジョンを持ってこの会社を立ち上げましたが、創業後息子の中嶋が退職した後は、工藤が編集と営業の全てを担当する形で運営を行っています。

独自の営業スタイル

トランスビューは、書籍の流通において独自の営業スタイルを採っています。主に哲学や宗教、教育関連の書籍を扱っており、一般的な出版取次店である日販やトーハンを介さずに、直接書店に書籍を郵送しています。このアプローチにより、出版社としての自由度が増し、書店との直接的な関係を築くことが可能となりました。

設立当初より、トランスビューは太洋社という取次店と取引を行っていましたが、同社が廃業した後は八木書店との取引に移行しました。ただし、これらのルートで流通した書籍は、返品が認められないという特異な特徴があります。また、書店への配本部数はすべて書店の判断に委ねられており、他の出版社が一般的に行う新刊委託、すなわち出版社や取次店側が見込みで書籍を送りつけることは一切行っていません。このようなシステムにより、トランスビューはより確実に、そして効率的に書籍の流通を行っています。

他社出版物の流通代行

さらに、トランスビューは自身のシステムを活用して、他社の出版物に関しても流通代行を行っています。この取り組みは、他の出版社にとっても有益であり、多様な出版物の流通を可能にする一助となっています。

主な刊行物

トランスビューは、その出版物の質と内容において高く評価されています。特に、池田晶子の著作『14歳からの哲学』（ISBN 978-4-901510-14-1）は30万部を超えるベストセラーとなりました。この作品は、哲学的な思考を若い世代に向けて易しく解説しており、多くの読者に影響を与えてきました。

また、島田裕巳の著書『オウム-なぜ宗教はテロリズムを生んだのか-』（ISBN 978-4-901510-00-4）や、森岡正博の『無痛文明論』（ISBN 978-4-901510-18-9）など、同社は様々な視点からの思想書を発表しています。これらは哲学や宗教、教育といったテーマに関連しており、読者に深い洞察を提供するものばかりです。

トランスビューは、今後も独自の営業手法と質の高い出版物を通して、日本の出版業界に新たな風を吹き込むことを目指しています。

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