トリはタフなり

『トリはタフなり』(原題: It's Tough to Be a Bird)は、1969年12月10日に公開された、ウォルト・ディズニー・プロダクションによる実写とアニメーションを融合させた、珠玉の短編映画です。カラー、スタンダードサイズで制作されたこの作品は、ディズニーが得意とするスペシャルアニメーションの一環として発表されました。

この映画は、鳥類が人類に与えてきた貢献と、太古の昔から現在に至るまで彼らが生き延びるために繰り広げてきた、壮絶にして終わりなき戦いを描いた物語です。先史時代の恐竜時代から現代社会まで、鳥たちは常に生存を賭けた困難に直面してきました。しかし、作品全体を通してユーモラスな描写が随所に散りばめられており、そのユーモアが、時に過酷な現実を包み込み、観る者に温かい感動を与えてくれます。ノスリのような猛禽類でさえも、その存在に敬意を表せざるを得ない程の、鳥たちのドラマが描かれています。

監督を務めたのは、ウォード・キンボール。脚本はテッド・バーマンとウォード・キンボールが共同で執筆しました。音楽はジョージ・ブランズが担当し、美しい旋律が作品の世界観をさらに豊かに彩っています。その他、ジョー・ヘイルによるレイアウト、エリック・ラーソンとアート・スティーブンスによる原画、ロイド・L・リチャードソンによる編集など、多くの才能が結集した作品と言えるでしょう。製作総指揮はロイ・O・ディズニー、製作はドン・B・テータムが務めました。

キャストは、鳥の愛好家として、ジョン・エマーソン、ジム・スウェイン、アン・ロード、ハンク・シュロス、ウォルター・パーキンス、ロルフ・ダルボなど実力派俳優たちが名を連ねています。鳥たちの声を担当したのは、ソプラノ歌手のルース・ブッツィ。そして、作品全体を優しく力強く導くナレーションは、リチャード・バカリアンが担当しました。

『トリはタフなり』は、その優れた芸術性と独創的な表現方法が高く評価され、1970年には第42回アカデミー賞短編アニメーション映画賞を受賞するという栄誉に輝きました。この賞は、作品が持つ高いクオリティと、世界中の人々の心を掴む魅力を証明するものです。鳥類の生き様を通して、私たち人間にも多くの示唆を与えてくれるこの作品は、ディズニー作品の中でも特に異彩を放つ、忘れ難い名作と言えるでしょう。鳥たちの視点から見た世界、そして彼らの生き様を、ぜひ一度、ご自身の目で確かめてみてください。IMDb（英語）でも詳細情報をご覧いただけます。

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