トリップメーター

走行距離計測機器：トリップメーター

トリップメーターは、車両の走行距離を計測する装置です。走行距離の総計を示すオドメーターとは異なり、トリップメーターは任意の区間における走行距離を計測し、ユーザーがリセットできるのが特徴です。通常、メーターパネル上に設置され、リセットボタンがメーターの近くにあるのが一般的です。

トリップメーターとオドメーターの違い

オドメーターが車両の総走行距離を記録するのに対し、トリップメーターは特定の区間における走行距離を計測します。この区間距離はユーザーが任意にリセットできます。そのため、燃費計算や、目的地までの距離を測定するのに便利です。

かつては、特にトラックやバス、旧式の乗用車の一部ではトリップメーターが装備されていない車両も存在しました。また、1990年代前半までの小型車や2000年代前半までの軽自動車の廉価グレードでは、コスト削減のため省略されることもありました。

トリップメーターの進化

1990年代までは、機械式アナログメーターが主流でした。回転する円筒状の数字表示器が特徴で、シンプルながらも信頼性の高い仕組みでした。しかし、1990年代後半から液晶表示のデジタル式が普及し始め、現在ではほとんどの車種でデジタル式のトリップメーターが採用されています。デジタル式は、オドメーターと表示部を共用し、ボタン操作で表示を切り替える車種も少なくありません。

さらに、複数の区間距離を計測できるトリップメーターも登場しました。例えば、A区間とB区間の走行距離を個別に計測し、ボタン操作で切り替えながら確認できます。高級車などでは、ヘッドアップディスプレイにトリップメーターの情報を表示するモデルもあります。

デジタル化とコスト

廉価グレードや社用車などでは、2000年代まで機械式のトリップメーターが主流でした。しかし、デジタル式の量産化によるコスト低減が進み、2010年代以降は、日本の乗用車ではデジタル式トリップメーターが標準装備となるのが一般的になりました。その結果、機械式トリップメーターは姿を消しつつあります。

トリップメーターの使い方

トリップメーターは、様々な用途に使用できます。

燃費計算: 給油前にトリップメーターをリセットし、給油量と走行距離を記録することで、燃費を正確に計算できます。
目的地までの距離: 目的地までの距離を事前に把握することで、燃料残量や休憩タイミングの計画に役立ちます。
* 積算距離の確認: 特定の区間における走行距離を記録することで、メンテナンス時期の判断や、走行管理に役立ちます。

トリップメーターは、ドライバーにとって便利な機能であり、安全運転や効率的な車両管理に貢献します。

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