トリニティ・ブラッド

ライトノベル『トリニティ・ブラッド』

『トリニティ・ブラッド』は、作家吉田直によるライトノベルで、イラストはTHORES柴本が手掛けています。シリーズは『トリニティ・ブラッド R.A.M.』という短編と、『トリニティ・ブラッド R.O.M.』という長編に分かれており、角川スニーカー文庫から全12巻が出版されました。残念ながら、作者が急逝したため、物語は未完のままとなっています。2008年時点で、国内では150万部、国外では5万部の売上を記録しています。

メディアミックス

『トリニティ・ブラッド』は、広がるメディア展開が魅力の一つです。コミカライズが『月刊Asuka』で連載され、作画は九条キヨが担当。単行本は全21巻発売され、ストーリーはアニメ化以前に掲載されたパイロット版やアニメ版にも活かされました。また、2005年4月から10月にかけてはテレビアニメーションが放送され、音声ドラマも作られました。

あらすじ

物語は、核兵器や細菌兵器による大災厄（アルマゲドン）で文明が崩壊した世界を描きます。人々は中世レベルに退行し、一部は吸血鬼（ヴァンパイア）との戦いに直面しました。物語の主人公、アベル・ナイトロードは教皇庁の特務分室に所属する神父であり、彼の周囲には多様なキャラクターが集まります。アベルの冒険は、教皇庁と吸血鬼帝国との間で繰り広げられる戦いと、人間の未来を模索する壮大な旅に繋がっていくのです。

登場人物

アベル・ナイトロード

作品の主人公。長身で銀髪の持ち主で、面白おかしい性格がある。彼は「クルースニク」という特異な能力を有しており、戦闘において驚異的な力を発揮します。任務中、彼の優しさと資質が仲間たちに影響を与え、戦う力になります。

エステル・ブランシェ

アベルの仲間であり、王族出身のシスターです。優れた知性と高い能力を持っており、彼女の成長と変化も物語の重要な要素です。

カテリーナ・スフォルツァ

教皇庁の長官であり、アベルたちの上司。彼女は非常に野心的で策略家なのですが、冷静に物事を見つめる理知的な一面も秘めています。

他の魅力的なキャラクター

カテリーナを中心とした多様なメンバーたち（例えば、エステルやトレス・イクス）がそれぞれの背景や目的を持って物語に絡むことで、緊迫感ある展開が繰り広げられます。

世界観とテーマ

『トリニティ・ブラッド』は、非人間の吸血鬼と人類との関係を描きながら、文明と野蛮、光と闇の対比を強調しています。作品は単なるファンタジーに留まらず、道徳的・倫理的なテーマも投げかける深い物語です。また、作中では失われた技術や文明の復活を模索する姿が描かれており、視聴者に様々な思考を促します。

結論

『トリニティ・ブラッド』は、その魅力的なキャラクターや複雑なストーリーラインにより、一度読んでみる価値があります。シリーズを通じて、吸血鬼と人類の持つ悲しみや希望の物語を堪能できることでしょう。

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