トリプラ州

トリプラ州：文化と自然が息づくインド北東部の地

トリプラ州は、インド北東部に位置する州で、面積は約1万平方キロメートルと、インドの州の中では比較的小さいです。バングラデシュとの国境に面し、アッサム州、ミゾラム州とも隣接しています。州都はアガルタラ。

地理と気候

トリプラ州は、地理的にインドの他の地域から隔絶されており、主要な交通路は国道8号のみです。州内にはバラムラ、アサラムーラ、ロングタライ、シャハンの4つの山地とジャンプイ丘陵が南北に走っています。気候はサバナ気候で、モンスーン期には豪雨に見舞われます。

歴史

トリプラは、中世にはヒンドゥー教国のトリプラ王国として独立していました。イギリス領インド帝国成立後も藩王国としての地位を認められていましたが、インド・パキスタン分離独立の際に、東パキスタン（現在のバングラデシュ）からのベンガル人の流入により、民族対立が発生しました。2022年には、州議会選挙で先住民族が分離・独立を提唱し、議論を呼びました。

行政区分

トリプラ州は、2012年に再編され、現在は以下の8つの県で構成されています。

ダラーイー県
ゴマーティー県
ホワイ県
シパーヒージャーラ県
ウナコティ県
北トリプラ県
南トリプラ県
西トリプラ県

民族と文化

トリプラ州は、ベンガル人が多数派ですが、19の部族が共存しています。公用語はベンガル語、英語、コクバラ語です。宗教的な祭事や結婚式、お祭りなど、民族独特の伝統文化がインドの主流文化と共存しています。ウナコティやピラク、デーヴタムラーなどの考古遺跡には、ヒンドゥー教や仏教と土着の宗教が融合した彫刻が見られます。

経済と課題

地理的な理由から経済発展は遅れており、貧困や失業が課題となっています。インフラ整備も遅れています。農業に従事する住民が多いですが、州内総生産に最も寄与しているのはサービス業です。

森林と生物多様性

州面積の半分以上を森林が占め、竹林やトウの茂みが多く見られます。また、インドで最も多様な霊長類が生息する州としても知られています。

教育

2011年の国勢調査によると、州内の識字率は87.75%と、インドの州の中で最も高い水準です。

トリプラ州は、豊かな自然と多様な文化が共存する地域ですが、経済的な課題も抱えています。今後の発展が期待される州です。

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