トリミング (写真)

トリミングとは

トリミングは、写真や画像編集において、画像の一部分を切り抜く加工技術です。主に、構図の調整や不要な部分の除去を目的として使用されます。写真の外形を変更したり、印画紙の一部のみをプリントして残りを余白にするといった手法もトリミングに含まれます。

英語におけるトリミング

英語では、暗室でのプリント時に一部を切り取る行為は「cropping」と呼ばれ、仕上がった写真をハサミなどで切って加工する行為を「trimming」と区別します。しかし、日本語の「トリミング」は、これらの両方の意味を含む広い概念として使われています。

トリミング機能

Microsoft Officeの各アプリケーション（Word、PowerPointなど）には、画像をトリミングする機能が標準搭載されています。これにより、画像の一部分を切り出したり、縦横比を固定したままトリミングしたりすることが可能です。直感的な操作で、誰でも簡単に画像のトリミングを行うことができます。

トリミングがもたらす影響

トリミングを行うと、画像の画角が小さくなります。これは、撮影時に焦点距離の長いレンズを使用した場合と同様の効果を生み出し、結果としてパースペクティブ（遠近感）が弱まります。また、アスペクト比の変更によって、画像全体の印象も変化します。

トリミングに対する賛否

写真家や写真愛好家の間では、トリミングの是非について意見が分かれています。

否定的な意見

トリミングを避けるべきと考える人々は、その理由として「撮影時のインスピレーションを損なう」「ネガを拡大するため画質が悪化する」などを挙げます。また、トリミングを一切行わないという立場（動画における「ノーカット」と同様）では、暗室プリントの際にネガのコマ外まで含めることで、トリミングを行っていないことを明示することもあります。

肯定的な意見

一方で、トリミングを肯定的に捉える人々は、「表現に最適な構図はカメラではなく被写体によって決まる」「創造の機会が増え、新たな発見につながる」「画像を整えることで見栄えが向上し、撮影意図をより明確にできる」といった理由を挙げます。トリミングは、単なる不要部分の削除ではなく、表現の幅を広げるための有効な手段と捉えられています。

トリミングを扱った作品

細野不二彦の漫画『ギャラリーフェイク』には、美術絵画（ルノワール作品）のトリミングを題材にしたエピソードがあります。これは、写真だけでなく、絵画の世界でもトリミングが重要な役割を果たすことを示唆しています。

まとめ

トリミングは、写真や画像の編集において、構図の調整や不要な部分の除去を行うための重要な技術です。デジタル画像編集ソフトやオフィスソフトに搭載されており、誰でも簡単に利用できます。トリミングによって画角やアスペクト比が変化し、画像の印象を大きく変えることができるため、その使用には賛否両論があります。トリミングを行う際は、目的と効果を理解した上で、適切に活用することが重要です。

関連項目

画像編集
グラフィックソフトウェア
* トリミング (映画映像の用語)

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