トルキスタン自治ソビエト社会主義共和国

トルキスタン自治ソビエト社会主義共和国（ロシア語: Туркестанская Автономная Советская Социалистическая Республика、英語: Turkestan Autonomous Soviet Socialist Republic）は、ソビエト連邦が成立した初期に存在した自治共和国です。当初は社会主義連邦共和国（Turkestan Socialist Federative Republic）として発足しましたが、後に自治共和国へと移行しました。

首都はタシュケントに置かれ、1918年4月30日に誕生しました。この地域は中央アジアに位置し、その広大な領域は現在の複数の国にまたがっていました。トルキスタン自治ソビエト社会主義共和国は、ソビエト連邦における民族自決政策の一環として設立されましたが、その存在は比較的短期間で終わりました。

1924年、ソビエト連邦は中央アジアにおける民族境界の画定を実施しました。これにより、トルキスタン自治ソビエト社会主義共和国は解体され、複数の新しいソビエト社会主義共和国へと再編されました。具体的には、トルクメンSSR（現在のトルクメニスタン）とウズベクSSR（現在のウズベキスタン）がこの地域から誕生しました。

さらに、ウズベクSSRの領域内には、タジク自治SSR（後にタジクSSR、現在のタジキスタン）とカラカルパク自治州（現在のカラカルパクスタン共和国）が設けられました。また、ロシアSFSR（ロシア・ソビエト連邦社会主義共和国）内には、カラ・キルギス自治州（後にキルギスASSR、現在のキルギス）が設立されました。これらの再編は、各民族の自治を尊重する一方で、ソビエト連邦の中央集権体制を維持するためのものでした。

トルキスタン自治ソビエト社会主義共和国の解体は、中央アジアにおける政治地図を大きく塗り替える出来事でした。この再編によって、各民族はそれぞれの共和国を持つことになりましたが、同時にソビエト連邦の支配下に置かれることとなりました。この地域の歴史は、その後のソビエト連邦の崩壊と中央アジア諸国の独立へとつながっていきます。トルキスタン自治ソビエト社会主義共和国は、その短い歴史の中で、中央アジアにおける民族と国家の形成において重要な役割を果たしたと言えるでしょう。1924年10月27日に消滅するまでの間、この地域はソビエト連邦の実験的な自治モデルの一例として、歴史にその名を刻んでいます。

もう一度検索