トルコ西部地震

2011年トルコ西部地震の詳細

2011年5月19日23時15分（EEST）、トルコ西部の内陸部、キュタヒヤ県シマウ付近を震源とするマグニチュード5.8の地震が発生しました。震源の深さは9.1kmと推定され、キュタヒヤ県を中心に広範囲で強い揺れが観測されました。

地震の概要

発生日時: 2011年5月19日23時15分（EEST）
震源地: トルコ西部キュタヒヤ県シマウの東
マグニチュード: 5.8
震源の深さ: 9.1km

被害状況

この地震により、キュタヒヤ県シマウでは停電が発生し、住民はパニック状態となりました。シマウの病院では多数の負傷者が報告され、複数の建物が損壊しました。隣接するブルサ県イネゴルでは、高齢の女性が余震の直後に心臓発作を起こし、その後死亡が確認されました。また、シマウではコンクリートブロックが落下し、1名が死亡しています。

地質学的背景

震源地は、キュタヒヤ市の西南西約80kmに位置する南北テクトニクス拡張エリア内のプレート内断層にあります。この地域は歴史的に地震活動が活発な場所であり、今回の地震は正断層の東西方向への変位によって引き起こされたと考えられています。地震学者は、この断層を過去にも同様の地震を引き起こしたシマウ断層であると同定しました。

揺れの状況

震源が浅かったため、各地で強い揺れが報告されました。シマウにおける最大震度はメルカリ震度階級でVII（非常に強い）と推定され、近隣のパザラやシャファネーでも強い揺れ（MM VI）が観測されました。キュタヒヤ県だけでなく、周辺の県でも軽い揺れ（MM V-IV）が報告され、震源から数百km離れたイスタンブールでも弱い揺れを感じました。

前震と余震

本震の23分前には、マグニチュード3.8の前震が発生しています。本震後も余震が頻発し、2011年5月20日までに450回以上の余震が観測されました。そのうち、マグニチュード4.0以上の余震は8回発生し、最大余震は本震から約10分後に震源付近で発生したマグニチュード4.6の地震でした。

地震後の状況

地震発生後、トルコ政府は被災地への支援を開始しました。緊急医療チームが派遣され、食料や水、毛布などの救援物資が届けられました。また、損壊した建物の調査や復旧作業も進められました。今回の地震は、トルコ西部の住民に大きな不安を与え、地震への備えの重要性を再認識させる出来事となりました。

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