余震

余震について

余震（よしん、英: aftershock）とは、主要な地震の後にその近隣で発生する地震を指します。最初に発生する大きな地震は本震と呼ばれ、逆に本震の前に起こる地震は前震として区別されます。一般的に、震源が浅い大きな地震のほとんどは余震を伴うことが多いです。なお、最大の余震は本震よりも小さいことが多いものの、同程度またはそれを上回ることもあります。

余震の回数と規模

余震の回数は数十回から数千回に及び、特に東北地方太平洋沖地震では1万回を超える余震が発生しました。余震の持続期間も多様で、数日から数ヶ月、時には数年にわたることもあり、1891年の濃尾地震や1945年の三河[[地震]]に関しては、いまだに余震が観測されています。

明治・大正時代の地震学者、大森房吉は濃尾地震のデータを基に、余震の回数が本震からの経過時間に伴い減少することを示した「大森公式」を発表しました。この公式は、その後宇津徳治によって改良され、多くの研究で利用されています。

余震のメカニズム

余震の発生原因は、本震の際に解放されなかったエネルギーが徐々に放出されることです。大規模な地震では、一度の本震で全ての断層が動くわけではなく、残された部分に新たに力が集中することで、余震が引き起こされます。余震活動の中でも最大規模の余震を最大余震と呼び、この規模は本震のマグニチュードよりも約1小さいとされています。また、震源が浅いと余震が多く発生しやすくなります。余震が発生するエリアは余震域と呼ばれ、この範囲は大地震による断層のずれと一致することが多いです。

一方、余震域外でも大きな地震が発生することがあり、これは本震による影響で引き起こされると考えられています。例えば、2004年のスマトラ島沖地震後や、2011年の東北地震後に異なる地域で発生した地震がこの例に当たります。

余震による災害のリスク

地震による被害が発生した後には、建物の耐久性が低下しているため、比較的小さな余震でも大きな被害を引き起こす可能性があります。過去のケースでも、余震が6弱以上の揺れを記録することがあり、特に東日本大震災では津波を伴う余震も発生しています。

加えて、余震が続くことで被災者に心理的なストレスが蓄積されることも懸念されています。特に、余震によって引き起こされる不安や不眠は、本震による被害ほど深刻になることがあります。東日本大震災では、余震に伴う精神的健康の悪化が実際に報告されています。

「余震」に関する情報連絡の課題

大きな地震が発生した際、気象庁は余震の発生確率を発表しますが、実際にはそれが当てはまらないケースもあります。例えば、2016年の熊本地震の際、最初の地震の後に余震確率が公開され兵士らの警戒が喚起されましたが、その後の地震活動が拡大し、本震と同等の規模の地震が続きました。これが住民への誤解を招くことになりました。

そのため、気象庁は情報の発表方法を見直し、余震に関する表現をより明確にすることを決定しました。具体的には、震度の高い地震が発生したあとのリスクを強調し、適切な注意喚起を促す新たな基準を設けました。このような改善が進められることで、今後の災害時における正確な情報提供が求められています。

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