トレッビアーノ

トレッビアーノ：白ワインとブランデーを彩るブドウ品種

トレッビアーノ（Trebbiano）は、イタリアを代表する白ワイン用ブドウ品種の一つであり、フランスをはじめ世界各地で広く栽培されています。特に、コニャックなどの高品質なブランデーを生産するための主要な品種として知られています。フランスではユニ・ブラン（Ugni blanc）、コニャック地方ではサンテミリオン（St. Émilion）とも呼ばれます。

特徴

トレッビアーノは、酸味が強く、非常にフルーティーな風味が特徴です。柑橘系を思わせる爽やかな香りが特徴で、フレッシュな白ワインによく用いられます。しかし、冷涼な地域で栽培すると、アルコール度数が低く、やや貧弱な味わいのワインになりがちです。この特性を逆手に取り、蒸留することで高品質なブランデーを生産するのに適しています。

起源

トレッビアーノの起源は、地中海東部または中東地方とされています。ローマ帝国時代にイタリアに伝わり、その後14世紀頃にフランスに伝わったと考えられています。長い歴史の中で、様々な地域で独自の発展を遂げてきました。

主な産地

イタリア

イタリアでは、トレッビアーノは最も人気のある白ブドウ品種の一つです。しかし、DOCやDOCGクラスのワインで、トレッビアーノを主体としたものは意外に少なく、多くの場合、ブレンド用として用いられます。アブルッツォ州のトレッビアーノ・ダブルッツォ、ウンブリア州のビアンコ・ディ・トルジャーノなどが例外として挙げられます。また、赤ワインのキャンティにも、酸味を補強する目的でブレンドされることがあります。IGTクラスのワインでは、トレッビアーノを名乗るものが比較的多く見られます。

フランス

フランスでは、主に南西部でユニ・ブラン（Ugni Blanc）という名前で栽培されています。ブレンド用として使われることが多く、単一品種でワインが造られることはほとんどありません。しかし、コニャック地方ではサンテミリオンと呼ばれ、コニャックを生産する上で最も重要な品種となっています。

オーストラリア

1832年にオーストラリアに持ち込まれ、ニュー・サウス・ウェールズ州と南オーストラリア州を中心に栽培されています。ここでは主にブランデーの原料として利用されています。

トレッビアーノの重要性

トレッビアーノは、その酸味の強さとフルーティーな香りを活かし、白ワインやブランデーの製造に欠かせないブドウ品種です。特に、コニャックの生産においては、その品質を大きく左右する重要な役割を果たしています。世界各地で栽培され、それぞれの地域で多様な表情を見せるトレッビアーノは、ワインとブランデーの世界を豊かに彩る存在と言えるでしょう。

関連項目

ブドウ品種の一覧
ブドウ
* ワイン用ブドウ品種の一覧

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