トレマーズ4

『トレマーズ4：伝説の始まり』（2004年）は、人気モンスターパニック映画『トレマーズ』シリーズの前日譚として制作されたオリジナルビデオ作品です。監督はS・S・ウィルソン、主演はマイケル・グロスが務めており、シリーズ1作目の100年前、1899年のネバダ州を舞台に、鉱山町を襲う恐怖を描いています。

舞台となるのは、銀鉱山の採掘が主な産業である小さな町、リジェクション。しかし、突如として謎の生物による襲撃が発生し、多くの犠牲者を出して町は混乱に陥ります。銀鉱山のオーナー、ハイラム・ガンマーは、状況を把握しないまま町を訪れ、残された住民たちを巻き込みながらグラボイドと呼ばれる地下生物との戦いを繰り広げることになります。

ハイラムは、腕利きのガンマン“黒手のケリー”を雇い、グラボイド退治に乗り出します。鉱山内部を探査する中で、彼らはグラボイドの卵が孵化していることを発見。すでに幾体かのグラボイドが誕生しており、住民たちは次々と襲われます。

ハイラム、ケリー、そして鉱山で働くフアンは、グラボイドの脅威に立ち向かいますが、戦いは想像をはるかに超える困難を伴います。ケリーは犠牲となり、ハイラムは一度は町からの脱出を試みます。しかし、救援を求める住民たちの電信を受け、彼は決意を新たにして武器を携え町へ戻ります。

その後、住民たちと協力して、ハイラムたちは知恵と勇気を振り絞りグラボイドに対抗します。蒸気トラックを利用した奇策など、様々な方法でグラボイドを倒していきますが、彼らの戦いは決して容易ではありません。町は破壊され、住民たちも危険にさらされます。ハイラムは、遂に最後のグラボイドを倒し、銀鉱山の再開を決定。しかし、グラボイドの存在は秘密にされることとなります。そして、町は「リジェクション（拒絶）」から「パーフェクション（完璧）」へと、その名を改めます。

本作には、西部劇を思わせる雰囲気と、シリーズおなじみのモンスターパニック要素が融合しています。また、ハイラム・ガンマー役を演じるマイケル・グロスをはじめ、個性豊かなキャラクターたちが物語を彩ります。彼らがグラボイドと戦う姿は、手に汗握る緊張感と痛快さを同時に提供してくれます。

映画で使用されている銃器にも注目すべき点があります。ハイラムが使用するレミントン・アームズマークIIIのシングルショット10ゲージ拳銃は、史実では1915年から1918年にかけて生産されたものであり、映画の時代設定とは一致していません。製作スタッフによると、監督と主演俳優がその銃器を気に入り、使用することに決めたとのことです。その他にも、シャープス銃のバッファロー・ライフル、レミントンNo.1ローリング・ブロック、コルト・ファイヤーアームズのガトリング砲など、様々な銃器が登場し、西部劇の雰囲気をさらに強調しています。

『トレマーズ4：伝説の始まり』は、シリーズの前日譚として、新たな視点からグラボイドとの戦いを描き、シリーズファンだけでなく、初めて観る人にも楽しめる作品となっています。西部劇とモンスターパニックの融合という、独特な世界観に浸ることができるでしょう。

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