トレモージネ・スル・ガルダ

トレモージネ・スル・ガルダは、イタリア北部のロンバルディア州、ブレシア県に属する基礎自治体（コムーネ）です。ガルダ湖の西岸、特に湖畔に面したエリアに位置し、その自然美と景観で知られています。このコムーネの人口はおよそ2,100人規模の小さなコミュニティです。

現在の「トレモージネ・スル・ガルダ」という名称は、比較的最近のものです。2013年11月7日に施行された州法に基づき、それまでの名称であった「トレモージネ」から改称されました。「スル・ガルダ」（Sul Garda）は「ガルダ湖畔の」という意味であり、この自治体がガルダ湖と密接に関わっていることを示す名称となりました。

ブレシア県の東端部に位置するトレモージネ・スル・ガルダの町域は広がりを持ち、ガルダ湖に面した低地部から内陸の山岳地帯までを含んでいます。交通アクセスとしては、ガルダ湖の北端にあるリーヴァ・デル・ガルダからは南西へ約14キロメートル、湖の南西端に位置するデゼンツァーノ・デル・ガルダからは北北東へ約39キロメートルの距離にあります。また、主要都市からの距離では、ヴェローナからは北北西に約44キロメートル、県都ブレシアからは東北東に約49キロメートル、そして州都ミラノからは東北東に約126キロメートルの位置関係にあります。

隣接する自治体には以下のようなコムーネがあります。

ブレンゾーネ・スル・ガルダ (VR)
リモーネ・スル・ガルダ
マガーザ
マルチェージネ (VR)
レードロ (TN)
ティニャーレ

(注：括弧内のVRはヴェローナ県、TNはトレント自治県を示します)

行政区分としては、トレモージネ・スル・ガルダのコムーネ内には、複数の分離集落（フラツィオーネ）が存在します。これらの集落は、コムーネの比較的広い領域内に点在しており、それぞれが独自のコミュニティを形成しています。主な分離集落としては、以下のような名称が挙げられます。

Arias
Bazzanega
Cadignano
Campione
Castone
Mezzema
Musio
Pieve
Pregasio
Priezzo
Secastello
Sermerio
Sompriezzo
Ustecchio
Vesio
Villa
Voiandes
Voltino

これらの集落の中でも、Pieveなどは景観の美しさで知られています。

気候に関しては、イタリア独自の気候分類に基づき、「zona E, 2801 GG」に区分されます。この分類は、その地域固有の気候特性を示すものです。また、地質学的な観点からは、イタリアにおける地震リスク階級において「zona 2 (sismicità media)」に位置づけられています。これは、中程度の地震リスクがある地域であることを意味します。

文化・観光の面では、トレモージネ・スル・ガルダは特筆すべき魅力を有しています。特に、「イタリアの最も美しい村」クラブに加盟していることは、この地域の景観や文化的な価値が高い評価を受けていることの証です。ガルダ湖の断崖に張り付くような集落や、美しい湖面を見下ろす景色は訪れる人々を魅了します。ハイキングやサイクリングなどのアウトドアアクティビティも盛んで、自然を満喫できる観光地として人気があります。歴史的な教会や古い街並みも保存されており、散策するだけでも楽しめます。

このように、トレモージネ・スル・ガルダは、ガルダ湖の美しい自然に囲まれ、歴史と文化が息づく魅力的なコムーネです。名称変更によってガルダ湖との結びつきを明確にしたこの地は、「イタリアの最も美しい村」としても認められ、訪れる人々に豊かな体験を提供しています。

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