トロワボヌール

トロワボヌール：輝ける競走生活と新たな章

2010年3月23日生まれの競走馬、トロワボヌール。その名は、フランス語で「三つの幸福」を意味し、その競走生活はまさにその名に相応しい輝かしいものでした。

2歳時には中山競馬場の2歳新馬戦でデビュー、見事勝利を収めます。その後、アルテミスステークスなど重賞レースにも挑戦しましたが、思うような結果を残せず、3歳時は苦戦を強いられました。クイーンカップで5着に入るなど、潜在能力の高さを垣間見せるものの、安定した成績には至りませんでした。

転機が訪れたのは4歳時。ダート戦に挑戦したことで、トロワボヌールの真価が明らかになります。4歳上500万下でダート初勝利を飾り、その後もダート戦で安定した成績を収め、オープン入りを果たします。そして、JBCレディスクラシックで2着と好走した後、迎えたクイーン賞で重賞初制覇。先団の後ろから直線で鋭く伸び、見事勝利を掴みました。

5歳時には、スパーキングレディーカップで重賞2勝目を達成。サウンドガガを交わし、1馬身半差をつける圧勝劇を演じました。しかし、その後は骨折により長期休養を余儀なくされます。

6歳で復帰したトロワボヌールは、グリーンチャンネルカップで9着と苦戦を強いられましたが、3年連続出走となったJBCレディスクラシックでは5着と健闘。そして迎えたクイーン賞で、トップハンデの56kgを背負いながらも、見事3勝目を挙げました。このレースが、トロワボヌールの競走生活における最後の勝利となりました。2017年2月11日、競走馬登録を抹消されました。

華々しい競走生活を終えたトロワボヌールは、社台ファームで繁殖牝馬となりました。2018年には初仔のトロワエスポワールが誕生し、2021年には産駒初勝利を挙げるなど、第二のキャリアにおいても順調なスタートを切っています。

トロワボヌールの競走成績は、ダートと芝の両面で活躍したことを示しています。特にダートにおいては、その末脚の爆発力は他の追随を許さないものでした。クイーン賞2勝、スパーキングレディーカップ1勝という輝かしい実績は、彼女が日本のダート界に大きな足跡を残したことを物語っています。

母系には、2003年のクイーンカップ勝ち馬で、同年の優駿牝馬で2着となったチューニーを持つ、良血馬でもあります。その血統背景も、トロワボヌールの潜在能力の高さを示唆していると言えるでしょう。

トロワボヌールの競走生活は、多くのファンに感動と興奮を与え続けました。その輝かしい功績は、長く人々の記憶に刻まれ続けることでしょう。そして、繁殖牝馬としての新たな挑戦も、多くの期待を集めています。今後の活躍にも注目です。

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