トロント・ブレッシング

トロント・ブレッシングの概要

トロント・ブレッシング（Toronto Blessing）は、1994年にカナダのトロントで発生した宗教的な現象で、特にトロント空港ビンヤード・チャーチ（現在のトロント空港・クリスチャン・フェローシップ、TACF）でスタートしました。この運動は、神の愛や恵みを実感することを目指すもので、参加者はいくつもの霊的体験を報告しています。参加者が感じた癒しや個人的な変革、そして神の臨在についての意識の高まりは、多くの人々にインスピレーションを与えました。

特徴

このリバイバル運動の特徴的な現象は、エクスタシー的な礼拝スタイルです。多くの参加者は、聖霊の影響を強く感じ、転げたり、深い平安や安息を体験したりすることがあります。また、「聖なる笑い」として知られる現象が特徴的で、出席者が笑い転げたり、時にはライオンのようにほえることもあります。この現象は、参加者の心の解放や、神の存在を実感する一環として捉えられています。

TACFの指導者や出席者は、これらの体験が聖霊から来るものであり、神の力の顕現であると主張しています。また、教会の教義には、「金の剣の預言」という考え方があり、これはカリスマ派の教会に広く受け入れられています。賛否があるものの、多くのキリスト教指導者からは、北アメリカにおけるキリスト教の刷新運動として注目され、支持されています。

一方で、この運動には批判も存在し、ヒステリックな現象や霊的な危険を指摘されることもあります。これらの祝福には、牧師であり神学者のジョナサン・エドワーズに見られるような初期のリバイバルの影響があり、出席者の生活に良い影響をもたらしたという論争もあります。

歴史的背景

トロント・ブレッシングは、ジョン・アノット牧師夫妻が、アルゼンチンで起きたリバイバルから影響を受けることで始まりました。その際、アノット牧師はセントルイスからランディ・クラークを招きました。クラーク牧師は、ロドニー・ハワード・ブラウニーのミニストリーにインスパイアされ、1月20日から2か月間、トロント空港ビンヤード・チャーチで説教を行いました。彼のアプローチは、TACFの出席者たちに新たな視点を提供し、様々な霊的体験が引き起こされました。

最初のリバイバル礼拝には120人が出席し、その場で参加者たちは笑ったり泣いたりしていたとアーノットは回想しています。初年度の終わりには教会は1000人に膨れ上がり、リバイバルの影響が広がる中、週のほとんど毎晩集会が行われるようになりました。

トロント・ブレッシングの影響は、アトランタやアナハイム、さらにはカンボジアやアルバニアなど、他の地域でも報告されています。このようにして、この運動はトロント・ブレッシング型のリバイバルとして知られるようになりました。

1990年代後半には、日本にもこの運動が紹介され、さまざまなセミナーが開催されるようになりました。日本リバイバル同盟（NRA）などがこの活動に関与し、日本でもリバイバルに関する関心が高まりました。

もう一度検索