トロ・ロッソ STR2

スクーデリア・トロ・ロッソ STR2/STR2B：2007-2008年シーズンの軌跡

スクーデリア・トロ・ロッソは、2007年と2008年のF1世界選手権に、それぞれSTR2とSTR2Bという2台のフォーミュラ1マシンを投入しました。本稿では、これらのマシンの詳細について解説します。

2007年シーズン：STR2

STR2は、姉妹チームであるレッドブル・レーシングのRB3と共通のデザインを採用していましたが、デザイン供給元がレッドブル・テクノロジーであり、エンジンとギアボックスが異なるため、コンコルド協定違反とはみなされませんでした。設計は、F1界の巨匠であるエイドリアン・ニューウェイの手によるものです。

シーズン序盤は、機械トラブルなどによるリタイアが相次ぎ苦戦を強いられました。しかし、シーズン終盤の中国グランプリでは、ダブル入賞という嬉しい結果を残しました。これはチームにとって大きな自信となったことは間違いありません。

STR2のスペック:

エンジン: フェラーリ Tipo056 (V型8気筒 90度)
排気量: 2,398cc
エンジン重量: 95kg
燃料: シェル

2007年シーズン ドライバーズランキング:

ヴィタントニオ・リウッツィ: 3ポイント、18位
スコット・スピード: 0ポイント、21位
セバスチャン・ベッテル: 6ポイント、14位

2008年シーズン：STR2B

2008年シーズンは、レギュレーション変更に対応するため、STR2を改良したSTR2Bが投入されました。標準ECUの装着や、ドライバーシートのサイドプロテクターの大型化などの変更が施されています。エンジンは、前年と同様にフェラーリ製が使用されました。

しかし、STR2Bは、開幕戦オーストラリアグランプリでの7位入賞という結果を残したものの、その後は苦戦が続きました。結局、第6戦モナコグランプリで、後継機であるSTR3にバトンタッチすることになります。

2008年シーズンは、チームにとって難しいシーズンとなりました。マシン開発の遅れや、ライバルチームの進化が目覚ましかったことが、その要因として考えられます。しかしながら、これらの経験は、チームの成長に繋がる貴重な経験となったはずです。

2008年シーズン ドライバーズランキング:

セバスチャン・ブルデー: 17位
* セバスチャン・ベッテル: 8位

まとめ

STR2とSTR2Bは、スクーデリア・トロ・ロッソにとって重要なマシンでした。特にSTR2は、ダブル入賞を果たすなど、チームにとって大きな自信を与えてくれました。一方、STR2Bは苦戦を強いられましたが、その経験は、チームの成長に繋がる貴重な経験となりました。これらのマシンは、チームの歴史において重要な役割を果たしたと言えるでしょう。 レッドブル・テクノロジーによる設計、そしてフェラーリエンジンという組み合わせは、当時のトロ・ロッソの技術力を象徴するものでした。また、セバスチャン・ベッテルといった、後のF1チャンピオンを輩出するチームとしての礎も築き上げたと言えるでしょう。今後のトロ・ロッソ、そしてアルファタウリの発展に繋がる重要な歴史的背景をなすマシンであったと言えるでしょう。

もう一度検索