トンカマメ属

トンカマメ属 (Dipteryx)

トンカマメ属は、9種類の植物からなる属で、熱帯アメリカに自生します。マメ科マメ亜科に属し、木や低木として生育します。

特徴

トンカマメ属の植物は、かつては近縁のタラレア属（Taralea）に分類されていた種も含みます。種によっては熱帯雨林において高木を構成し、生態系において重要な役割を果たしています。

種

代表的な種として、以下のものがあります。

Dipteryx alata Vogel (バル)：ブラジルのカンポ・セハードに生育する種で、種子や果実が食用や飼料として利用されます。しかし、生育地の開発などにより、絶滅危惧種に指定されています。
Dipteryx odorata (Aubl.) Willd. (トンカ豆、クマル)：香りの良いトンカ豆を採取できることで知られています。トンカ豆は、バニラに似た甘い香りを持ち、香料や食品添加物として利用されます。

その他の種：

Dipteryx lacunifera Ducke
Dipteryx magnifica (Ducke) Ducke
Dipteryx micrantha Harms
Dipteryx oleifera Benth.
Dipteryx polyphylla Huber
Dipteryx punctata (S.F.Blake) Amshoff
Dipteryx rosea Benth.

利用

トンカマメ属の植物は、様々な用途に利用されています。

香料：Dipteryx odorataの種子であるトンカ豆は、香料として広く利用されています。バニラやアーモンド、シナモンのような甘い香りが特徴で、デザート、香水、タバコなどに使用されます。
食用・飼料：Dipteryx alataなどの種子や果実は、食用や家畜の飼料として利用されています。栄養価が高く、貴重な食料資源となっています。
木材：いくつかの種は、建築材や家具材として利用されています。硬くて丈夫な木材は、耐久性が求められる用途に適しています。

保全状況

一部の種は、森林伐採や生息地の破壊により、絶滅の危機に瀕しています。特に、Dipteryx alataは、ブラジルのカンポ・セハードにおける森林破壊の影響を受け、危急種に指定されています。持続可能な利用と保全が求められています。

トンカマメ属の植物は、その多様な利用価値から、地域住民の生活を支える重要な資源となっています。しかし、過剰な採取や環境破壊により、その存続が脅かされています。持続可能な利用と保全のための取り組みが不可欠です。

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