トーボール

トーボール（Torball）について

トーボールは、視覚障害者のために考案された球技であり、特に中央ヨーロッパやラテンアメリカ諸国で人気を集めています。このスポーツは、目隠しをした選手たちが音の出るボールを転がして相手のゴールを狙う形で行われます。競技は、通常のスポーツと同様に2チームに分かれて行われ、各チームは3人のプレーヤーで構成されています。

競技のルール

トーボールは長さ16メートル、幅7メートルの屋内コートで行われます。試合は前半と後半それぞれ5分、合計10分の時間制限があります。選手たちは目隠し用のパッドとアイシェードまたはゴーグルを着用し、視界を完全に遮ります。

攻撃側のチームは、500グラムの重さの音が出るボールを使用し、コート中央に張られた3本の紐の下をくぐらせて相手のゴールを狙います。守備側はその音を聞きながらゴールを防衛します。ゴールは幅7メートル、高さ1.3メートルで、各チームは自チームのゴールを守る役割を果たします。

試合の進行中は、攻撃側の選手が連続して3回ボールを投げることができ、両チームは攻守を交代しながら戦います。最終的に制限時間内に得点が高いチームが勝利となります。

ペナルティとフィールドの構造

コート内の3本の紐は、床から40センチの位置にあり、プレーやボールがこれらの紐に触れると音の鳴るベルが付いています。それぞれの紐はセンターラインを挟む形で配置されており、選手がこの紐に触れたり、ボールが紐に触れるとペナルティが科せられ、ペナルティを受けた選手は一時的にコートの外に出なければなりません。このため、チームは残りの2名で続行することになります。

歴史的背景

トーボールの起源については諸説あり、その一つは1960年代の初頭に南チロルで生まれたというものですが、1970年代に成立したとする説も存在しています。また、トーボールという名称はドイツ語の「トーアバル（Torball）」に由来しており、英語では「ゴールボール」と訳されます。トーボールはゴールボールから派生したスポーツで、より軽量なボールを用いてスピーディにプレーすることで特徴づけられています。

競技大会について

このスポーツは、国際視覚障害者スポーツ連盟（IBSA）によって管轄されていますが、パラリンピックの公式種目ではありません。IBSAはトーボールの世界選手権やワールドカップを開催し、競技の普及と選手たちの発展を図っています。

トーボールは視覚障害者スポーツの中でも特異な魅力を持つ競技であり、選手たちは聴覚や他の感覚を駆使して勝利を目指します。そのため、観る側にとっても非常に迫力のある体験を提供してくれます。

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