トーマス・エドワード・ケッチャム

トーマス・エドワード・ケッチャム（Thomas Edward Ketchum, 1863年10月31日 - 1901年4月26日）は、ブラックジャック・ケッチャム（Black Jack Ketchum）の名で知られるアメリカの犯罪者です。19世紀末、ニューメキシコ準州を舞台に列車強盗を繰り返し、その結果、絞首刑に処せられました。彼の処刑は、その凄惨な状況を捉えた写真が広く出回ったことで、アメリカ史において特筆すべき出来事として記録されています。

ケッチャムは、仲間と共に列車強盗団を組織し、ニューメキシコ準州各地で犯行を重ねていました。1899年8月16日、彼らは再び列車を襲撃しようと試みましたが、この時、車掌にショットガンで撃たれ、腕に重傷を負いました。落馬して倒れているところを発見され、病院で手当を受けましたが、腕を切断せざるを得ないほど、傷は深刻でした。

その後、ケッチャムは裁判を受けるためにクレイトンへと送られました。重罪である鉄道への攻撃を犯したとして死刑判決が下されました。ニューメキシコ準州において、この罪で死刑となったのはケッチャムただ一人でした。

1901年4月26日、クレイトンでケッチャムの絞首刑が執行されました。しかし、クレイトンには絞首刑の執行経験者がいなかったため、手順が不慣れであり、結果として悲劇的な事態を招きました。ロープの長さが適切でなかったため、刑が執行された瞬間、ケッチャムの首は切断されてしまったのです。遺体は、切断された首を縫い合わせられた後、クレイトン墓地に埋葬されました。

この時の絞首刑の様子を写した写真は、絵葉書として販売され、広く流通しました。その衝撃的な光景は、現代に至るまで、絞首刑の悲惨さを物語る有名な写真として、しばしば用いられています。ブラックジャック・ケッチャムの生涯と、その最期は、アメリカの西部開拓時代における、犯罪と刑罰の歴史を象徴する出来事として、今もなお語り継がれています。

関連情報
Mainpage at www.hal-pc.org
Biography
* Clayton, New Mexico

もう一度検索