トーラス・レイジングブル

トーラス・レイジングブル：怒れる牡牛の異名を持つ大型リボルバー

トーラス・レイジングブルは、ブラジルの銃器メーカーであるトーラス社が開発した大型リボルバーです。その名の「レイジングブル」は「怒れる牡牛」を意味し、強力なマグナム弾を発射できることが特徴です。この銃は、トーラス社がかつてS&W社やベレッタ社のライセンス生産を行っていた下請企業から、独自の設計による銃器メーカーへと変貌を遂げる上で、重要な役割を果たしました。

開発の背景

トーラス社は、長年、S&W社のリボルバーやベレッタ社の自動拳銃のライセンス生産を行ってきました。しかし、近年ではポリマーやチタニウムなどの新素材を積極的に採用し、オリジナルのデザインの銃を開発するようになりました。その代表的な製品の一つが、1990年代後半に発売されたレイジングブルです。

特に、.454カスール弾は非常に強力な威力を持つ反面、その反動が非常に大きいため、実用的な銃器として扱われることは少ない弾薬でした。しかし、レイジングブルは、この.454カスール弾を比較的低反動で射撃できるように設計されており、アメリカ市場で大きな成功を収めました。

特徴

レイジングブルは、全体がステンレス製で、強力なマグナム弾の発射に耐えられるように堅牢に作られています。シリンダーは、前後のラッチ2点でロックするシステムを採用しており、高い強度を実現しています。また、放熱性を高めるためのベンチレーテッドリブが設けられています。

反動を軽減するために、フルレングスアンダーラグを採用し、バレル先端部には、8つの穴が開いたエクスパンションチャンバーが設けられています。さらに、フィンガーチャンネル付きの黒いラバーグリップと、赤いバックストラップが組み合わさることで、射撃時の衝撃を吸収し、快適な射撃を可能にしています。

サイトは、フロントサイトに精密射撃に適したパートリッジタイプ、リアサイトには上下左右の微調整が可能なアジャスタブルタイプを採用しています。また、安全対策として、ハンマーの後部に鍵穴を設け、付属のキーを使用することで、所有者以外が使用できないようにロックすることが可能です。

バリエーション

レイジングブルには、様々なバリエーションが存在します。口径、バレル長、仕上げなど、様々な異なるモデルが販売されており、ユーザーのニーズに合わせた選択が可能です。これらのバリエーションにより、レイジングブルは、単に強力な拳銃というだけでなく、射撃競技や狩猟など、様々な用途に対応できる汎用性の高いリボルバーとなっています。

登場作品

レイジングブルは、その独特な外観と強力な性能から、映画やゲームなどのエンターテイメント作品に登場することがあります。これらの作品では、その強力な火力や存在感のあるデザインが、キャラクターの魅力を引き立てる要素として使用されています。

関連項目

トーラス社
回転式拳銃
S&W M29
S&W M500
トーラス・ジャッジ

外部リンク

トーラス社公式サイト
* トーラスUSA社公式サイト

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