.454カスール弾

.454カスール弾（.454カスールだん）

.454カスール弾は、1957年にディック・カスールとジャック・フルマーによって開発された実包であり、当初はワイルドキャット・カートリッジとして登場しました。この弾薬は、進化した設計により常に高い性能を発揮しています。

開発の背景

この実包は1959年11月に銃器専門誌『Guns & Ammo』で初めて公表されました。設計は基本的に.45ロング・コルト弾を改良したもので、サイズを延長して強化されています。その後、1997年にスターム・ルガー社がスーパーレッドホークにこの口径を採用し、主流の弾薬へと発展しました。1998年にはブラジルのトーラス社もこの実包を採用しました。

.454カスール弾は、.45スコフィールド弾や.45ロング・コルト弾と互換性があり、これは.38スペシャル弾と.357マグナム弾、また.44スペシャル弾と.44マグナム弾の関係に似ています。

性能の詳細

.454カスール弾が商業利用が開始されたのは1998年で、その際にSAAMI（スポーツ用火器弾薬製造協会）が基準値を初めて発表しました。この弾薬は、小型の小銃用雷管を使用しており、薬室内での圧力は非常に高い60,000CUP（410MPa）に設定されています。このため、小銃用雷管は強いカップで構成されています。

量産されている弾薬の中では、.454カスール弾は最も強力な拳銃用実包の一つです。その反動も非常に大きく、.45ロング・コルト弾の約5倍、.44マグナム弾よりも約75%多い反動エネルギーを生成します。16g（250グレイン）の弾丸は、銃口初速580m/s（1,900ft/s）以上で発射され、2.7kJ（2,000 ft-lb）のエネルギーを持っています。特にバッファロー・ボアの300グレイン弾は、初速が1,650ft/sで、1,813ft-lbの銃口エネルギーを誇ります。

主な用途は、中量級から重量級の獲物狩りやメタリック・シルエット競技、さらにはクマからの自衛などです。この実包は、3倍の発射薬を詰めこんでおり、漸進的に燃焼します。これによって、銃身を通過する弾丸は段階的に加速していく効果があります。

類似する実包

.454カスール弾を装填できるリボルバーは1983年にフリーダム・アームズ社によって商品化され、シングルアクション式のモデル83リボルバーは交換可能な弾倉を採用し、.45ACP弾、.45ロング・コルト弾、.454カスール弾を発射可能でした。2005年には.460S&Wマグナム弾が発表され、これは.454カスール弾をさらに延長したもので、装弾できる銃でも.454カスール弾や.45ロング・コルト弾が使用できるよう設計されています。

以上が.454カスール弾に関する概要です。強力な性能と多用途性を兼ね備えたこの実包は、射撃や狩猟愛好者にとって魅力的な選択肢です。

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