ドイツ・フランス合同旅団

ドイツ・フランス合同旅団

ドイツ・フランス合同旅団（DFB/BFA）は、ドイツ連邦陸軍とフランス陸軍から構成される合同部隊です。この部隊は、欧州合同軍の指導の下で活動していましたが、2016年7月1日以降はフランス第1機甲師団に編成される形に変わりました。

設立の背景

合同旅団の創設は1987年にさかのぼります。当時のフランス大統領フランソワ・ミッテランと西ドイツ首相ヘルムート・コールの会談の結果として実現しました。この合同部隊は1989年10月2日、Jean-Pierre Sengeisen将軍の指揮のもと、作戦可能な状態となりました。その後、1993年に設立された欧州合同軍の一部としてこの旅団は重要な役割を果たしてきました。現在、ミュルハイム（ドイツ・バーデン＝ヴュルテンベルク州）に駐留しています。

駐屯の歴史

これまで、フランスの軍隊がドイツ国内に駐留し、逆にドイツ部隊がフランスに駐留することはありませんでした。しかし、2009年2月にフランス大統領ニコラ・サルコジとドイツ首相アンゲラ・メルケルが合意したことを受けて、2010年12月10日からドイツの歩兵大隊335人がフランスのストラスブール郊外に駐屯を開始しました。これにより、ドイツの戦闘部隊がフランスに駐留するのは、第二次世界大戦後初めてのこととなり、両国間の歴史的な和解と友好関係を象徴する出来事となりました。

さらに、2013年10月31日には、フランスがドナウエッシンゲンに本拠を置く第110歩兵連隊を2014年に解隊し、約1000人の軍人がドイツから撤収することを発表しました。それに対して、ドイツの国防大臣トーマス・デメジエールはこの一方的な軍縮について遺憾の意を表しましたが、依然として約4000人のフランス軍が独仏合同旅団に所属し、そのうち500人ほどがドイツ国内に駐留しています。

編成と構成

この合同旅団は、主に機械化歩兵部隊として編成されています。戦闘部隊には、装甲偵察連隊、機械化歩兵連隊、軽歩兵大隊、機械化砲兵大隊などが含まれています。フランスは装甲偵察部隊および機械化歩兵を提供し、ドイツは軽歩兵部隊や機械化砲兵、機械化工兵部隊を担当しています。兵站支援部隊と司令部は、両国の軍人から成る混成部隊で構成されています。

主な編成内容

• - 仏軍第3驃騎兵連隊（機械化偵察部隊）

- 司令部中隊
- 装甲偵察中隊 ×3（AMX-10RC装甲車）
- 対戦車中隊（ミラン、HOT）
- 支援中隊

• - 独軍第292猟兵大隊（軽歩兵大隊）

- 司令部・支援中隊
- 軽歩兵中隊 ×3
- 重火器中隊
- 訓練中隊
- 予備中隊

• - 仏軍第1歩兵連隊（機械化歩兵連隊）

- 司令部中隊
- 歩兵中隊 ×3
- 武器中隊

• - 独軍第500装甲工兵中隊（機甲工兵部隊）

• - 独軍第295装甲砲兵大隊（砲兵大隊）

- 司令部・支援中隊
- 射撃中隊 ×3（自走榴弾砲 PzH2000 155mm）

• - 混成兵站大隊（兵站支援）

- 司令部中隊（混成）
- 修理中隊（混成）
- 補給中隊（混成）
- 輸送中隊（ドイツ）
- 管理支援中隊（フランス）

本旅団は、両国の協力関係を強化し、共同作戦への対応力を向上させることを目的としています。

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