トーマス・デメジエール

カール・エルンスト・トーマス・デメジエール

カール・エルンスト・トーマス・デメジエール（Karl Ernst Thomas de Maizière, 1954年1月21日 - ）は、ドイツの政治家であり、ドイツキリスト教民主同盟 (CDU) に所属しています。彼は、アンゲラ・メルケル首相の下で、連邦首相府長官、内務大臣、国防大臣といった重要な閣僚ポストを歴任しました。また、東西ドイツ統一にも重要な役割を果たしました。

生い立ちと学歴

デメジエールは、西ドイツのボンで生まれました。1972年にアビトゥーアに合格し、CDUに入党。兵役後、ミュンスター大学とフライブルク大学で法学と歴史学を学びました。1979年に第一次、1982年に第二次国家司法試験に合格し、法曹資格を取得しました。学生時代には、学生キリスト教民主同盟 (RCDS) で活動しました。1986年には、連邦カルテル局に関する論文でミュンスター大学から博士号を授与されています。

政治家としてのキャリア

大学卒業後、デメジエールはベルリン市庁に勤務し、リヒャルト・フォン・ヴァイツゼッカー、エーベルハルト・ディープゲン両市長の下で働きました。1985年から1989年まで、ベルリン市長府政策局長とベルリン市議会CDU報道官を務めました。

1990年のドイツ再統一に際しては、東ドイツ首相府に顧問として勤務し、西ドイツ側代表の一員として統一事務に携わりました。当時の東ドイツ首相は、デメジエールの従兄であるロタール・デメジエールでした。この時、トーマス・デメジエールは、後に首相となるアンゲラ・メルケルを政府副広報官として推薦しました。東西ドイツ統一後、1990年11月にはメクレンブルク＝フォアポンメルン州の文化大臣次官に就任、1994年12月からは同州の首相府長官を務めました。

1999年、ザクセン州首相府長官に就任。2001年には同州の財務相、2002年には法務大臣、そして2004年には内務大臣を務めました。2004年の州議会選挙で当選し、ザクセン州議会議員となりました。しかし、2007年にはザクセン州の政治家・司法関係者・警察関係者が関与した組織犯罪疑惑が浮上し、2004年から1年間内相を務めたデメジエールもその関与を疑われました。

2005年、アンゲラ・メルケルが連邦首相に就任すると、デメジエールは連邦首相府長官及び無任所特命大臣に就任しました。2009年の連邦議会選挙で初当選を果たし、第2次メルケル内閣では内相に就任しました。2011年には、カール＝テオドール・ツー・グッテンベルク国防相の辞任に伴い、国防相に転じました。2013年に発足した第3次メルケル内閣では、再び内相を務めました。

家族と表彰

デメジエール家は、17世紀にフランスからドイツに移住したユグノー（プロテスタント）の子孫です。彼の父はドイツ連邦軍の大将であり、叔父は東ドイツの弁護士でした。また、従兄には東ドイツ最後の首相ロタール・デメジエールがいます。

デメジエールは、2006年にイタリア共和国功労勲章大十字章、2007年にノルウェー王国功労勲章を受章しました。2010年にはドレスデン工科大学の名誉教授に任命されています。

デメジエールは、ドイツの政治において重要な役割を果たした人物であり、その経歴は多岐にわたります。彼は、その豊富な経験と知識をもって、ドイツの発展に大きく貢献しました。

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