ドイツ橋

徳島県鳴門市のドイツ橋：歴史と文化が息づく石橋

徳島県鳴門市大麻町板東、大麻比古神社の境内を流れる板東谷川に架かるドイツ橋は、その名の通り、ドイツと深い関わりを持つ石橋です。正式名称は「ドイツ橋」ですが、「独逸橋」と表記されることもあります。

ドイツ橋の歴史

かつてこの場所には木橋が架かっていましたが、第一次世界大戦時に捕虜としてこの地に収容されたドイツ兵たちによって、現在の石橋が造られました。彼らは、ドイツ帝国の租借地であった青島で捕虜となり、大麻比古神社の南約2kmに位置する板東俘虜収容所に収容されていました。

当時、大麻比古神社の境内はドイツ兵捕虜たちの散策の場として利用されていました。板東俘虜収容所では、捕虜に対する人道的で寛大な対応が行われ、地域住民との交流も積極的に行われたことから、ドイツ兵たちは帰国する際に記念として橋の建設を提案しました。

1919年4月初旬に工事が開始され、同年6月末に完成しました。橋の材料には和泉砂岩が用いられ、アーチの形式はローマ式の半円形で、馬蹄形の美しい石築アーチ橋となっています。橋には内面で180個、全体で3000個もの石が使用されており、総重量は約195トンにもなります。

2004年1月30日には、徳島県の文化財史跡に指定されました。現在、橋の保存のため、橋の上を通行することはできません。

めがね橋

大麻比古神社の境内には、ドイツ兵捕虜が造成した池があり、その池には彼らが建造した小さな石造りの2連アーチ橋が架かっています。この橋は「めがね橋」という愛称で親しまれており、現在も通行可能です。

周辺情報

ドイツ橋周辺には、四国八十八箇所霊場である大日寺や霊山寺、第一次世界大戦とドイツ兵捕虜に関する資料を展示する鳴門市ドイツ館、道の駅第九の里、ドイツ村公園（旧俘虜収容所跡地）、阿波大正浪漫 バルトの庭など、歴史や文化に触れることができるスポットが点在しています。

参考文献

橋（四国の道路を考える会）

関連情報

第一次世界大戦
バルトの楽園

外部リンク

ドイツ橋（徳島県観光情報サイト阿波ナビ）
* 鳴門市役所

ドイツ橋は、第一次世界大戦という歴史の一コマを今に伝える貴重な遺産です。その美しい姿は、平和への願いと国際交流の原点を私たちに思い出させてくれます。ぜひ一度、足を運んでみてください。

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