ドゥカティ・1199

1199 Panigale：ドゥカティの伝説的名車

ドゥカティ・モーター・ホールディング社が2012年から2014年にかけて製造・販売した1199 Panigaleは、同社の歴史において重要な位置を占めるオートバイです。その魅力は、圧倒的なパワーと洗練されたテクノロジー、そして多彩なラインナップにあります。

パワフルな心臓部：スーパークワドロエンジン

1199 Panigaleの心臓部は、ドゥカティが「スーパークワドロ」と名付けた新型エンジンです。このエンジンは、2気筒ながら10750rpmで195馬力（145kW）という驚異的な出力を発揮。同時に、9000rpmで133N・m（98.1lb・ft）のトルクを発生させます。ボア112mm、ストローク60.8mmという極端なオーバースクエア設計が、この高い出力とトルクに貢献しています。カムシャフト駆動には、従来のベルトドライブ方式から静粛性の高いカムチェーンドライブ方式が採用されました。

軽量ボディと高い運動性能

乾燥重量164kg、車両重量188kgという軽量ボディは、優れたパワーウェイトレシオとトルクウェイトレシオを実現。これは、当時の市販オートバイにおいてトップクラスの値でした。アルミニウム製のモノコックフレームと片持ち式スイングアームを採用することで、軽量化と高い剛性を両立。優れたハンドリングと操縦性を実現しています。サスペンションには、マルゾッキ製フロントフォークとザックス製リアサスペンションを標準装備。フルアジャスタブル仕様で、ライダーの好みに合わせたセッティングが可能です。

多彩なモデルバリエーション

1199 Panigaleシリーズは、スタンダードモデルに加え、数多くのバリエーションモデルが存在します。

1199 Panigale S：オーリンズ製電子制御サスペンション「DES」を搭載。これにより、前後サスペンションのコンプレッションとリバウンドを電子制御で調整可能。さらに、オーリンズ製ステアリングダンパー、LEDヘッドライト、マルケジーニ製鍛造ホイール、カーボン製フロントフェンダーなどの豪華装備が標準で備わっています。
1199 Panigale S Tricolore：Sモデルをベースに、イタリア国旗をモチーフにしたトリコロールカラーを採用。テルミニョーニ製チタンマフラーとドゥカティ・データ・アナライザ（DDA+）が標準装備されています。
1199 Panigale S Senna：F1ドライバー、アイルトン・セナを記念した限定モデル。セナのF1参戦回数にちなんで161台のみ限定生産され、ブラジルで販売されました。セナを象徴するカラーリングとロゴ、そして製造番号入りのバッジが特徴です。収益はアイルトン・セナ財団に寄付されました。
1199 Panigale R：Sモデルをベースに、更なる軽量化と高性能化を追求。チタン製コンロッド、軽量フライホイール、カーボン製クラッチなどを採用し、サーキット走行に最適化されています。テルミニョーニ製フルチタンマフラーや、4点調整式ピポッド位置のスイングアームも特徴です。
* 1199 Superleggera：「Superlight」の名の通り、徹底的な軽量化を追求した限定モデル（500台）。チタン製コンロッドやバルブ、マグネシウム製フレーム、カーボン製パーツなどを採用し、乾燥重量155kgを実現。最高出力は200馬力に達します。

レースシーンでの活躍

1199 Panigaleは、レースシーンでもその実力を発揮しました。ル・マン24時間耐久ロードレースでの優勝や、スーパーバイク世界選手権での上位入賞など、数々のタイトルを獲得しています。ブリティッシュスーパーバイク選手権での優勝や、ノースウェスト200での勝利など、その活躍は多岐に渡ります。

映画への登場

1199 Panigaleは、映画『キック・アス2』にも登場。主人公が使用するバイクとして、そのスタイリッシュなデザインが注目を集めました。

まとめ

1199 Panigaleは、高性能エンジン、軽量ボディ、そして洗練されたテクノロジーを融合させた、ドゥカティを代表する名車です。レースシーンでの活躍や、様々なバリエーションモデルの存在も、その魅力を高めています。ドゥカティの歴史において重要なモデルの一つとして、これからも多くのファンを魅了し続けることでしょう。

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