ドゥルセ・ベレンゲル・デ・バルセロナ

ドゥルセ・ベレンゲル・デ・バルセロナ：ポルトガルの王妃

ドゥルセ・ベレンゲル・デ・バルセロナ（1152年 - 1198年9月1日）は、バルセロナ伯ラモン・バランゲー4世とアラゴン女王ペトロニーラの長女として生まれました。彼女は、ポルトガル王サンシュ1世の妃として、その生涯をポルトガルで過ごしました。

生涯

ドゥルセの結婚は、ポルトガルとアラゴンの同盟関係を強化するための政略的なものでした。わずか9歳の時に、ポルトガル王アフォンソ1世の息子サンシュとの婚約が成立し、1174年に結婚しました。結婚前のドゥルセに関する情報はほとんど残されていませんが、彼女が結婚に際して受け取った寡婦財産についても、詳しいことは分かっていません。

ドゥルセは「美しくすばらしい女性で、物静かで控えめで、名前の通りの性格」と評されています。彼女の結婚は、ポルトガルがカスティーリャとレオンの領土拡張政策を封じ込めるための同盟を強化する目的がありました。王妃として、また多くの子を持つ母として、ドゥルセは期待された役割を果たしました。また、この結婚は、サンシュ1世の妹マファルダと、後のアラゴン王アルフォンソ2世との婚約破棄を補う意味合いもありました。

1185年にアフォンソ1世が亡くなると、サンシュ1世がポルトガル王位を継承し、ドゥルセは王妃となりました。アフォンソ1世の最初の遺言は1188年に実行され、サンシュ1世はドゥルセにアレンケル、ヴォウガ川の河岸の領地、サンタ・マリア・ダ・フェイラおよびポルトからの収入を与えました。

ドゥルセは、ブランカとベレンガリアを産んで間もなく、1198年に亡くなりました。死因はおそらくペストであり、その後の出産が彼女の命を奪ったと考えられています。ドゥルセはコインブラのサンタ・クルース修道院に埋葬されました。

子女

ドゥルセとサンシュ1世の間には、11人の子供が生まれましたが、成長したのはそのうち9人でした。

テレサ（1176年 - 1250年）：レオン王アルフォンソ9世と結婚。1705年に列福。
サンシャ（1180年 - 1229年）：セーラス修道院を創建。1705年に列福。
コンスタンス（1182年 - 1202年）
アフォンソ2世（1186年 - 1223年）：ポルトガル王
ライムンド（1187/8年 - 1188/9年以前）：早世
ペドロ（1187年2月23日 - 1258年）：ウルジェイ女伯アウレンビアシュと結婚し、ウルジェイ伯となる。
フェルナンド（1188年3月24日 - 1233年）：フランドル伯フェラン、フランドル女伯ジャンヌと結婚
エンリケ（1189年3月以降 - 1189年12月8日）：早世
マファルダ（1195/6年 - 1256年）：カスティーリャ王エンリケ1世妃
ブランカ（1198年 - 1240年）：ベレンガリアとおそらく双子。グアダラハラ修道院の修道女、同修道院に埋葬。
* ベレンガリア（1198年 - 1221年）：ブランカとおそらく双子。デンマーク王ヴァルデマー2世と結婚

ドゥルセ・デ・バルセロナは、政略結婚によってポルトガル王妃となりましたが、多くの子供をもうけ、ポルトガル王国の発展に貢献しました。彼女の生涯は、中世ヨーロッパの王室における女性の役割を物語る上で、重要な事例の一つと言えるでしょう。

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