ラモン・バランゲー4世

ラモン・バランゲー4世

ラモン・バランゲー4世（カタルーニャ語: Ramon Berenguer IV el Sant、アラゴン語: Remón Berenguer IV o Santo）は、1113年頃に誕生し、1162年8月6日に亡くなったカタルーニャの貴族であり、バルセロナ伯、ジローナ伯、ウゾーナ伯、サルダーニャ伯を歴任しました。彼はアラゴン女王ペトロニラと結婚し、アラゴンの統治に重要な役割を果たしました。彼の治世中には、アラゴンとバルセロナの強い結びつきが構築されました。

生い立ちと治世の開始

ラモンはバルセロナ伯ラモン・バランゲー3世とプロヴァンス女伯ドゥルサの長男として生まれ、1131年にバルセロナ伯の地位を継承しました。彼には弟が一人と、カスティーリャ王アルフォンソ7世の妃となった姉妹が存在します。1137年、彼は当時1歳のアラゴン王女ペトロニラと婚約し、この結婚を通じてアラゴン王国との同盟を強化しました。

彼の妻であるペトロニラの父ラミロ2世は、実際には王位を退く意向を持っており、ラモンは結婚後、アラゴン王国の実質的な統治者となることが期待されました。ラモンは自らをアラゴン王として名乗ることはなく、バルセロナ伯およびアラゴン公と称しました。彼の長男であるアルフォンソ2世は、後にアラゴン王及びバルセロナ伯の名を継ぐことになります。

戦争と統治

ラモンの治世の中期には、彼の関心がムーア人に対する遠征に向かうようになりました。1151年、ラモンは第2回十字軍に参加し、カスティーリャ軍を支持してアルメリアを占領しました。また、彼はムワッヒド朝の支配下にあったバレンシアとムルシアの占領にも貢献しました。1148年、フランスとジェノヴァ共和国の十字軍兵士を援軍としてトゥルトーザを包囲し、陥落に至ります。

さらに、1149年にはカタルーニャ地域の攻撃を完了し、フラガ、リェイダ、メキネンサを占領しました。ラモンの統治下では領土が広がり、アラゴンとカタルーニャの地位が確立されていきました。

家族と後継者

1151年、ラモンはペトロニラと結婚し、5人の子ども（4男1女）をもうけました。彼の子どもたちはそれぞれアラゴン王国や他の地域で重要な役割を果たしました。

• - ペドロ（1152年 - 1164年） - 早世
• - アルフォンソ2世（1157年 - 1196年） - 後にアラゴン王となる
• - ペドロ（1158年 - 1181年） - プロヴァンス伯となる
• - ドゥース（1160年 - 1198年） - ポルトガル王サンシュ1世と結婚
• - サンチョ（1161年? - 1223年） - アラゴン王国、ルシヨン伯、サルダーニャ伯などを歴任

また、私生児としてナルボンヌ司教となったラモンもいました。彼の死去翌年には、息子アルフォンソ2世がアラゴン王としてその地位を引き継ぎました。

結論

ラモン・バランゲー4世は、彼の治世の中でアラゴン王国を発展させただけでなく、領土拡張や文化的な交流を促進し、多くの子孫に受け継がれる地位を確立しました。彼の人生は、当時の中世の歴史における重要な部分を成すものでした。

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