ドミニオン電波天文台

ドミニオン電波天文台（Dominion Radio Astrophysical Observatory、略称：DRAO）は、カナダのブリティッシュコロンビア州ペンティクトンに1960年に設立された電波天文学の研究施設です。カナダ国家研究会議のヘルツベルク天体物理学研究所によって運営されており、電波干渉計、26メートル電波望遠鏡、太陽フラックス計測装置という3つの主要な観測設備を備えています。

観測設備

電波干渉計

DRAOの電波干渉計は、東西に600メートルにわたって直線状に配置された7つの直径9メートルの皿状金網アンテナで構成されています。これらのアンテナは、408メガヘルツの単方向円偏波と1408メガヘルツの双方向円偏波を受信するように設定されており、ストークス・パラメータの調整が可能です。また、1420メガヘルツのスペクトロメータも備えられており、中性水素が放出する21cm線電波の観測にも用いられます。

26メートル電波望遠鏡

単一の皿状金網アンテナを持つ26メートル電波望遠鏡は、408メガヘルツ、1.5ギガヘルツ、2.7ギガヘルツ、4.9ギガヘルツ、6.6ギガヘルツ、8.4ギガヘルツの周波数帯で観測が可能です。これらの周波数帯には、水素の21cm線、ヒドロキシルラジカル（OH）の1.6ギガヘルツ波、メタノールの6.6ギガヘルツ波などが含まれており、様々な天体の電波放射を観測することができます。

太陽フラックス計測装置

太陽フラックス計測装置は、2つの盤面皿状アンテナを用いて、10.7cm波を同時に観測する装置です。この装置は太陽活動のモニタリングに利用されています。

技術廠

DRAOでは、観測施設の運用だけでなく、受信装置の電子機器の研究・製作も行われています。これらの技術開発プロジェクトは、超大型干渉[[電波望遠鏡群]]やジェームズ・クラーク・マクスウェル望遠鏡などの外部観測施設にも貢献しています。DRAOは、観測技術の向上だけでなく、電波天文学の進歩を支える技術開発拠点としての役割も果たしています。

その他の情報

DRAOは、カナダの電波天文学研究の中核的な存在であり、国際的な研究協力にも積極的に参加しています。その観測データは、天文学の様々な分野における研究に活用され、宇宙の理解を深める上で重要な役割を果たしています。また、DRAOは、次世代の電波望遠鏡の開発にも貢献しており、将来の宇宙観測に大きな期待が寄せられています。

関連情報

ヘルツベルク天体物理学研究所: DRAOを運営するカナダの研究機関です。
ドミニオン天体物理天文台: カナダにある他の主要な天文学研究施設です。
電波望遠鏡一覧: 世界の主要な電波望遠鏡に関する情報です。
公式ウェブサイト: DRAOの公式サイトです。（https://www.nrc-cnrc.gc.ca/en/research-innovation/research-centres/herzberg-astrophysics-research-centre/dominion-radio-astrophysical-observatory-drao）

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