ドライ・トートゥガス国立公園

ドライ・トートゥガス国立公園

ドライ・トートゥガス国立公園は、フロリダキーズの西、メキシコ湾に浮かぶドライ・トートゥガス諸島を保護するアメリカの国立公園です。公園の大部分は水域であり、豊かな海洋生物、色とりどりのサンゴ礁、そして難破船の伝説が人々を魅了しています。

歴史

1820年代、アメリカ海軍のデイヴィッド・ポーター提督は、海賊鎮圧のための海軍基地候補地としてドライ・トートゥガスを視察しましたが、その立地条件から不向きであると判断しました。しかし、その後の調査で、灯台建設には適しているとされ、1825年にガーデン・キーに灯台が建設されました。その後、ジョン・ロジャース提督がドライ・トートゥガスの戦略的重要性を認識し、要塞建設の必要性を訴えました。

1846年、ジェファーソン砦の建設が始まりました。この巨大な要塞は、西半球最大の石造建築物であり、1600万個以上のレンガが使用されています。砦は3層6面で構成され、420の重砲を備えており、難攻不落の要塞として設計されました。砦の建設には、軍人、民間人労働者、囚人、そして奴隷が携わりました。

南北戦争中、ジェファーソン砦は北軍の支配下にあり、多くの囚人が収容されました。その中には、エイブラハム・リンカーン大統領暗殺の共犯者として有罪判決を受けた者も含まれていました。1888年、軍事的有用性が低下したため、砦は米国公衆衛生局に検疫所として引き渡されました。

1935年、フランクリン・ルーズベルト大統領がこの地を訪れ、ジェファーソン砦は国定史跡に指定されました。その後、1992年にドライ・トートゥガスは国立公園となり、今日に至ります。

特徴

ジェファーソン砦： 巨大な海岸要塞であり、西半球最大のレンガ造りの建造物です。その歴史的な建築と壮大なスケールは、訪れる人々を圧倒します。
海洋生物： 色鮮やかなサンゴ礁、多様な魚類、ウミガメなど、豊かな海洋生態系が広がっています。シュノーケリングやスキューバダイビングでその美しさを堪能できます。
野鳥観察： ブッシュ・キーはセグロアジサシの繁殖地として知られ、その壮大な光景はバードウォッチャーにとって見逃せません。その他にも多くの種類の海鳥が観察できます。
アクセス： 公園へは、キー・ウェストから水上飛行機またはボートでのみアクセス可能です。

楽しみ方

ドライ・トートゥガス国立公園では、以下のようなアクティビティが楽しめます。

シュノーケリングとスキューバダイビング： サンゴ礁や沈没船を探索し、色鮮やかな海洋生物を観察できます。
ピクニック： 美しい景色の中でピクニックを楽しむことができます。
海釣り： 多様な魚種が生息しており、釣りのスポットとしても人気があります。
野鳥観察： セグロアジサシをはじめとする多くの海鳥を観察できます。特に繁殖期には、ブッシュ・キーで壮観な光景を見ることができます。

注意点

ドライ・トートゥガスには淡水がなく、また季節的な川もありません。そのため「ドライ」という名前が付けられています。訪れる際には、十分な飲料水を準備しましょう。
ブッシュ・キーは、セグロアジサシの繁殖期には立入禁止となります。しかし、ジェファーソン砦から双眼鏡や望遠レンズで観察することができます。

ドライ・トートゥガス国立公園は、その美しい自然と歴史的な建造物によって、訪れる人々を魅了し続けています。この場所は、自然と歴史の両方を愛する人にとって、特別な体験となるでしょう。

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