セグロアジサシ

セグロアジサシの概要

セグロアジサシ（学名：Sterna fuscata）は、チドリ目カモメ科に属する海鳥であり、その美しい姿と優れた飛翔能力が特徴です。この鳥は熱帯および亜熱帯の海域を主な生息地とし、特に大西洋、インド洋、太平洋の島嶼で繁殖します。

分布

セグロアジサシは、繁殖期にはオーストラリア北岸や広範囲に渡る各地の島々に姿を見せます。日本では、夏に小笠原諸島、南鳥島、そして沖縄県仲御神島などに渡来し、ここで繁殖を行います。ただし、日本本土では稀に台風などの影響により迷行することもあります。

形態

この鳥の体長は約45センチメートル、翼を広げた際の翼開長は94センチメートル程度です。セグロアジサシはアジサシよりも大きく、サイズ的にはハトとカラスの中間に位置します。羽の色は非常に特徴的で、額や首、腹部は白色である一方、背中は濃い黒褐色で覆われています。この配色が「セグロ」という名の由来になっています。幼鳥は全体が黒褐色ですが、成長するにつれ体に白い斑点が現れ、まだら模様になります。

生態

セグロアジサシは、その細長い翼と尾羽により非常に優れた飛行能力を持っています。非繁殖期には、主に外洋で生活し、空中での生活を好みます。時には飛びながらまどろんだり、また幼鳥は巣立った後の約3年間をほぼ空中で過ごすとされています。この鳥は水面に着水することやダイビングすることは少なく、魚やイカを捕まえる際は水面近くを飛び回り、くちばしで巧みに獲物を拾い上げます。

繁殖地では、セグロアジサシは草地に大きな集団繁殖地（コロニー）を形成し、通常は2〜3個の卵を産みます。近年、環境保護が進んでいるものの、かつては繁殖地の卵が現地住民に採取されることが多く、その影響を受けた歴史があります。また、セグロアジサシの鳴き声は「ジュウ ジュウ」または「ギー ギー」と特徴的です。

参考文献

• - 『日本の鳥 550 水辺の鳥』、文一総合出版
• - 真木広造他『日本の野鳥590』、平凡社

関連項目

• - 日本の野鳥一覧

このように、セグロアジサシはその美しい外見と興味深い生態から、多くの人々に愛されている鳥です。

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