ドラウパディ・ムルム

ドラウパディ・ムルム：インド初の先住民族出身大統領

ドラウパディ・ムルム（Droupadi Murmu、1958年6月20日 - ）は、インドの政治家であり、同国第15代大統領です。先住民族出身者として初めての大統領であり、プラティバ・パティルに次いで2人目の女性大統領として、インドの歴史に名を刻みました。また、インド独立後に生まれた最初の大統領経験者でもあります。

生い立ちと家族

ムルムは、オリッサ州ライランプル市のバイタポシ地区にあるウパルヘダ村で、サンタル族の農家の家庭に生まれました。父親と祖父はウパルヘダ村の村長を務めていました。出生時はプティ・ビランチ・トゥドゥという名前でしたが、学校の教師によってドラウパディと改名されました。ラマデビ女子大学で学士号を取得後、1980年に銀行家のシャム・チャラン・ムルムと結婚し、3人の子供をもうけましたが、2009年から2015年の間に夫と2人の息子、そして母親を相次いで亡くすという悲劇に見舞われました。

初期の経歴

1979年から1983年まで、ムルムはオリッサ州自治政府の灌漑部門で職員として勤務しました。その後、1994年から1997年までライランプル市の学校で教師としてヒンディー語、数学、地理を教えました。1997年にはライランプル議会の無所属評議員として選出され、政界への足がかりを築きました。

政界での活躍

後にインド人民党に入党したムルムは、2000年にライランプル選挙区から議会選挙に出馬し、見事当選を果たしました。2期にわたり議員を務め、オリッサ州の商業運輸大臣、動物資源開発大臣を歴任するなど、着実にキャリアを重ねていきました。

2015年には、女性として初めてジャールカンド州知事に任命され、その手腕を発揮しました。

ジャールカンド州知事としての挑戦

2016年から2017年にかけて、ジャールカンド州では政府が提出した部族土地法改正法案を巡り、パラムガディ運動という暴動が発生しました。先住民族出身のムルムが法案の改正を支持するだろうという人々の期待は裏切られ、ムルムはパラムガディ運動の指導者への不信を表明しました。この対応は、一部から批判も浴びましたが、ムルムは自身の信念に基づき、職務を全うしました。

インド大統領への道

2022年7月18日に行われた大統領選挙で、ムルムは野党のヤシュワント・シンハ元外務大臣を大差で破り、見事当選を果たしました。得票率は64%に達し、その国民からの支持の厚さを示しました。

大統領就任後、ムルムは初の会談相手としてモザンビーク国家議員代表団を迎えました。これは、インドが国際社会との連携を重視する姿勢を示すものとして注目されました。

ドラウパディ・ムルムの存在は、インド社会における多様性の象徴であり、多くの人々に希望を与えるものです。彼女の今後の活躍から目が離せません。

関連項目

プラティバ・パティル：インド初の女性大統領

外部リンク

インド大統領公式サイトへのリンク'>President of India - インド大統領公式サイト（英語）

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