ドラギシャ・ビニッチ

ドラギシャ・ビニッチ



ドラギシャ・ビニッチ（セルビア語: Драгиша Бинић、ラテン文字転写: Dragiša Binić）は、1961年10月20日に生まれた元プロサッカー選手です。セルビア（旧ユーゴスラビア）の出身で、ポジションはフォワードを務めました。ビニッチはそのスピードと技術で知られ、さまざまなクラブで活躍をしました。

経歴



ビニッチのキャリアは1980年代初頭に始まりました。彼は最初にFKナプレダク・クルシェヴァツで3年間プレイし、その後FKラドニチュキ・ニシュに移籍。ここでの活躍を受けて、1987年には名門レッドスター・ベオグラードに加入します。1989年からはフランスのスタッド・ブレスト29、スペインのレバンテUDを経て再びレッドスター・ベオグラードに戻るなど、数々のクラブでプレイしました。

特に有名なのは、1990-91シーズンにおけるUEFAチャンピオンズカップでの優勝です。しかし、その後に起こった審判への唾吐き事件が影響し、出場停止処分を受けることになります。その後、チェコのSKスラヴィア・プラハに移籍し、その後はジュニア・フットボールクラブのAPOELニコシアでプレイするなど、国内外で活躍しました。

1994年7月には日本のJリーグ名古屋グランパスエイトに加入。ドラガン・ストイコビッチとのコンビで注目を集めました。ビニッチは1985年8月27日のレッズ戦でJリーグ初ゴールを含む2得点を挙げ、プロサッカー界に存在感を示しました。しかし、監督から十分な評価を得られずにいたため、8試合で5ゴールを記録しながらも出場機会は限られていました。その結果、マスコミの前で監督を公開批判する事態に至りました。

翌年の1995年にはJFLの鳥栖フューチャーズに移籍しますが、ここでも監督との衝突があり、退団後に選手としてのキャリアを終えることになります。ユーゴスラビア代表としては1990年から1991年にかけて3試合に出場しました。

引退後は、友人でもあるアルカンがオーナーを務めていたFKオビリッチのスポーツディレクターに就任し、サッカー界でのキャリアを続けました。

エピソード



ビニッチはそのスピードの速さで知られており、100メートルを10秒台で走るほどの才能を持っていました。しかし、同時に気性が荒いことで知られ、チームメイトとの関係も面白いものでした。特に森山泰行選手とは深い信頼関係があり、彼には「ターボ」というニックネームをつけて呼び合っていました。また、彼は虎の入れ墨をしており、それが由来となって「タイガー」の愛称でも呼ばれていました。

現在も息子のヴラダン・ビニッチがプロサッカー選手として活躍しており、ビニッチの血筋がサッカー界で引き継がれています。

所属クラブ



ビニッチのキャリアは、スピードと技術に優れた選手として、多くのクラブで印象を残しました。その人生の中で、サッカーへの情熱は今も引き継がれています。

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