ドラゴン (雑誌)

ドラゴン誌（Dragon Magazine）とは

ドラゴン誌は、ダンジョンズ&ドラゴンズ（D&D）の公式情報誌として、その歴史をスタートさせました。TSR社が1976年に月刊誌として創刊し、D&Dのルール、モンスター、世界観など、ゲームを豊かにする様々な情報を提供してきました。

ドラゴン誌の歴史

創刊と初期

1975年、TSR社はウォーゲーム雑誌「ザ・ストラテジック・レビュー」を発行していましたが、D&Dの人気上昇に伴い、D&D専門の雑誌として1976年に「ザ・ドラゴン」誌を創刊しました。創刊者のゲイリー・ガイギャックスは、その成功を予想していなかったと語っています。

TSRからウィザーズ・オブ・ザ・コーストへ

1997年、ウィザーズ・オブ・ザ・コーストがTSRを買収し、ドラゴン誌の知的財産も引き継ぎました。その後、ウィザーズ・オブ・ザ・コーストはハズブロ社に買収され、ドラゴン誌の製作拠点も移転しました。

オンラインへの移行

2002年、パイゾ・パブリッシングがドラゴン誌の出版ライセンスを取得し、雑誌の内容はD&Dのサポート記事や大規模な冒険シナリオの紹介に重点が置かれました。

しかし、2007年ウィザーズ・オブ・ザ・コーストはパイゾへのライセンスを更新せず、ドラゴン誌はオンラインマガジンとして再出発しました。これは、インターネットの普及により、オンラインでの情報提供がより効率的であると判断したためです。

印刷版の終焉とオンライン版の開始

2007年9月に印刷版は359号で終了しましたが、同年8月にはオンライン版が開始され、D&Dインサイダーの購読者向けに、キャンペーン構築ツールやキャラクターシート管理機能などが提供されました。

ドラゴン誌の内容

ドラゴン誌は、D&Dの拡張ルール、新クラス、新種族、モンスター情報など、ゲームをより深く楽しむための様々な情報を提供してきました。また、プレイヤーからの質問に公式に回答する「セージ・アドバイス」などの人気連載コラムもありました。

コミック連載

印刷版の終了時には、「ノドウィック」「ドーク・タワー」「ゾゴニア」「ジ・オーダー・オブ・スティック」といったコミックが連載されていました。過去には「ナイツ・オブ・ザ・ディナー・テーブル」などの人気コミックも連載されていました。

その他

ゲーム業界の著名な作家やデザイナー、画家が作品を発表し、ファンタジー小説や映画の書評も掲載されていました。また、D&Dに関する論争が起きた際には、TSR広報の立場から問題を解説する記事も掲載されました。

モンスター生態記事

「○○の生態」という連載記事では、D&Dに登場するモンスターの生態を詳細に解説し、人気を博しました。

特別号

ドラゴン誌以前には「ザ・ストラテジック・レビュー」が7号出版されており、ドラゴン誌の初期には、両誌から人気記事を再録した「ベスト・オブ・ザ・ドラゴン」が5冊出版されました。1996年から2001年までは、毎年「ドラゴン・アニュアル」という特別号も発行されました。

歴代編集長

ドラゴン誌は、数多くの編集長によって支えられてきました。ティム・カスク、ジェイク・ジャケット、キム・モハン、ロジャー・E・ムーアなど、それぞれの編集長がドラゴン誌の発展に貢献しました。

受賞歴

ドラゴン誌は、その質の高さから数々の賞を受賞しています。オリジン賞では、「最優秀ロールプレイング商業雑誌」「最優秀ゲーム商業雑誌」「最優秀ゲーム関連定期刊行誌」など、多くの部門で評価されました。

まとめ

ドラゴン誌は、D&Dの歴史とともに歩んできた重要な情報誌です。印刷版の終了は惜しまれましたが、オンライン版としてD&Dファンに情報を提供し続けています。D&Dの世界をより深く楽しむために、ドラゴン誌は欠かせない存在と言えるでしょう。

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