ドラゴンクエスト4コマクラブ

ドラゴンクエスト4コマクラブ：漫画家たちの登竜門

『ドラゴンクエスト4コマクラブ』は、スクウェア・エニックス（当時エニックス）の『ドラゴンクエスト』シリーズを題材とした、読者投稿型の4コマ漫画コーナーです。1990年代初頭から2004年まで、『月刊少年ガンガン』を中心に人気を博しました。単行本『ドラゴンクエスト4コママンガ劇場』の発売を機に、4コマ漫画の募集が開始されました。当初は単行本の巻末に掲載されていましたが、1991年には読者投稿作品のみを集めた『4コマクラブ傑作集』として独立した単行本が発売されるようになりました。

『月刊少年ガンガン』創刊後は、同誌上で連載が開始。毎月多くの投稿作品が掲載され、採用者には会員ナンバーと会員証が送られました。会員証には人気漫画家、柴田亜美氏のイラストが描かれていたそうです。作品は「スライム賞」「キングスライム賞」など複数の賞に分けられ、受賞者には賞金と副賞の特製原稿用紙が贈られました。

入選を逃した作品でも、最終選考に残れば誌上に名前が掲載され、『4コマクラブ傑作集』に収録されることもありました。掲載された作品には原稿料が支払われ、さらに中期以降は、プロの漫画家が最終選考に残った作品を描き直す『合作4コマ』という企画も展開されました。この企画でプロの作家が手を加えた作品は、単行本の表紙カバーを外した中の表紙・裏表紙に掲載されたこともありました。

『4コマクラブ』は、多くの漫画家にとってデビューのきっかけとなった場所です。初期には、年間のポイントによって、最盛期にはキングスライム賞受賞者の中から選ばれた数人が「4コママンガカーニバル」に参加する機会が与えられ、読者投票で1位となった投稿者は「4コマキング」としてデビューを果たすことができました。

『4コマクラブ』出身の漫画家は多数おり、『月刊少年ガンガン』や『月刊少年ギャグ王』などで活躍するようになりました。しかし、ドラゴンクエスト4コマの人気が衰え、新人発掘の役割も新人漫画賞に取って代わられるようになったため、2004年に連載は終了しました。『4コマクラブ傑作集』は最終的に23巻まで発行され、会員数は1000人を超えました。その後、『ガンガン』誌上で新たなゲーム4コマの投稿コーナーが企画されましたが、実現には至りませんでした。

主要な投稿者

『4コマクラブ』には、多くの才能ある漫画家たちが参加しました。会員ナンバー順に主な投稿者（ペンネーム含む）を一部紹介します。中には、4コマクラブ以外からもデビューした漫画家も含まれています。

中井一輝（ナンバーが付けられる以前に投稿）
丹羽俊晴（にはとしはる）
田村きいろ（きいろ）
雁えりか
野国由紀
タイジャンホクト（関野マリコ）
牧野博幸
奈津美柑
染宮和子（初代4コマキング）
たるみ
白石琴似
夜麻みゆき
浅村イオン（イオン、時の女、現：藍月イオン）
藤田佳子（藤田るな）
主任（藤真つかさ）
池野カエル（箱絵智一、中村ともかず）（二代目4コマキング）
浅野りん（浅野倫子）
川本祐太郎（祐太郎）
よしむらなつき
夏緑（秋茜、タタラ）
内田じゅんた（ナイダウル内田）
幸宮チノ（チノ）
Cyban（越後屋サイバン、獄中刑事サイバン）
魔神ぐり子（魔神具利娘）
藤森ナッツ（ナッツ）
結城まさのへ（七代目4コマキング）
たかなし霧香（霧香&聖娜）
龍波小鳥
いかわあや（ちるみる）（三代目4コマキング）
あずき・まめお
三剣もとか
野広実由（野原すずかけ、すずかけ、卯月すずかけ）
川崎ゆうり（ゆうり）
藤井昴（藤凪かおる）
小椋みき
堀田ナポリ
神田達志
風峰ゆいな（風峰唯菜）
山崎渉（四代目4コマキング）
水谷みか
森ゆきえ（ゆきえ）
福地翼
天空宇宙流
神崎りゅう子（五代目4コマキング）
プチ侍（六代目4コマキング）
堀口レオ（八代目4コマキング）
夏海ケイ
江本聖
岡村多香子
天宮霞
あずみきし（貴嶋あずさ）
かなめゆきしろ

4コマクラブ傑作集

『4コマクラブ傑作集』は、『ドラゴンクエスト4コママンガ劇場』の番外編として、投稿作品を集めた単行本シリーズです。全23巻が発行され、表紙イラストは巻によって担当者が異なり、柴田亜美、夜麻みゆき、浅野りん、牧野博幸、幸宮チノ、山崎渉といった著名な漫画家たちが手掛けています。

各巻の内容は、「ロトの章」「天空の章」「モンスターの章」「スライム賞」「キングスライム賞」といったカテゴリーに分けられています。最終選考に残った作品が多数掲載され、『ドラゴンクエスト』シリーズの世界観を様々な視点で描いた作品が多数収録されています。

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