ドラゴン太極拳
『ドラゴン太極拳』(原題:太極氣功、英題:Born Invincible)は、
1978年に公開された香港のアクション映画です。この作品は、カーター・ワン(黄家達)が主演を務めていますが、日本での劇場公開は行われず、
1984年と
1986年にテレビ放送されたのみです。そのため、現在では視聴が非常に困難であり、一部のファンたちの間では「幻の
カンフー映画」として知られています。
概要
物語の主人公である銀魔王を演じるカーター・ワンは、実際の武道家でもあり、映画内の戦闘シーンにリアリティを持たせています。彼の相棒である金魔王は、ロー・リエ(羅烈)によって演じられ、彼もまた「
少林寺三十六房」で知られる俳優です。さらに、本作の武術指導は、名作『
キル・ビル』や
ジャッキー・チェンの作品で有名な
ユエン・ウーピン(袁和平)が担っており、高いクオリティのアクションが期待されています。
日本語吹替版では、
内海賢二が銀魔王の声を担当し、「
北斗の拳」の
ラオウ役でも知られる彼の存在は、多くの視聴者に強い印象を与えました。他にも、岳明刀役の
石丸博也や李少君役の水島裕など、当時の
ジャッキー・チェン映画で名を馳せた声優が参加しており、見どころが多い作品です。
ストーリー
物語は、金銀山に住む金魔王と銀魔王という二人の武道の達人が、悪行を繰り返して人々から恐れられているところから始まります。ある日、雷平武館の門弟たちが修行している際に、二人の魔王の手から逃げた父娘を救うことになりますが、この事件をきっかけに武館の師範代と館長となる雷平が命を落とすことになります。
彼の弟子である岳明刀や李少君、花如剣たちは、師の仇を仇討ちするため、次々と金魔王と銀魔王に戦いを挑みます。物語は、彼らの闘いを軸に展開していきます。
登場人物
本作の主人公で、長い修行の末、無敵の肉体を手に入れた超人的な武道家です。彼は「八卦の術」と呼ばれる技を用いて戦いますが、彼の戦い方は常にフェアであり、彼自身の肉体のみで勝負しています。
銀魔王の相棒であり、卑怯な戦い方を得意とするキャラクターです。戦闘スタイルには、仕込み刀を施したトンファーを使うなど、様々な技を駆使します。
雷平武館の師範代であり、毅然とした態度で門弟たちを束ねます。彼は師の仇を討つため、金魔王に挑む勇敢な人物です。
雷平武館の門弟として正義感を持ち、厳しい修行を経た後、銀魔王と対峙します。
直情的で喧嘩っ早い性格の持ち主で、物語の展開に重要な役割を果たします。
雷平武館の館長で、弟子たちを導いてきた名指導者です。彼が命を落とすことで物語は大きく動き出します。
キャストとスタッフ
この作品は、ジョゼフ・クオが監督・製作を手掛け、姚慶康が脚本を担当しています。また、撮影は呉国孝が行い、音楽をフランキー・チェンが担当しています。これらの要素が相まって、
カンフー映画ファンにとって特別な作品となっていることが、この映画の大きな魅力です。