ドラル

ドラル

ドラルは、アメリカ合衆国フロリダ州南東部に位置するマイアミ・デイド郡の都市です。活気あふれるマイアミ大都市圏の一部であり、マイアミ中心部から西へ約20キロメートルの距離にあります。2020年の国勢調査では、人口は7万5874人でした。

この地域はかつて広大な低地の湿地帯であり、市制施行以前は国勢調査指定地域（CDP）でした。本格的な開発が始まったのは1950年代後半のことです。この時期、特定の投資家夫婦、ドリスとアルが中心となり、大規模なゴルフ場を核としたリゾートコミュニティの建設が構想されました。都市名の「ドラル」は、この開発計画を主導した夫妻それぞれの名前、ドリス（Doris）とアル（Al）を組み合わせたものであると言われています。

構想されたゴルフリゾートは、1962年にその扉を開きました。約320ヘクタールにも及ぶ広大な敷地内には、4つのゴルフコース、700室を超える客室を備えた大型ホテル、そして会議や宴会に対応できる施設が整備された一大リゾートでした。この象徴的な施設は、設立当初から数回にわたって所有者が変更されてきましたが、2012年以降は実業家のドナルド・トランプ氏が所有していることで知られています。

1980年代に入ると、ドラルは新たな発展期を迎えます。これは、近接するマイアミ国際空港の存在が大きな要因となりました。空港へのアクセスの良さから、観光関連事業や、特に物流に関連する企業の進出が活発化しました。これにより、雇用機会が増加し、結果としてこの地域への人口流入が急速に進みました。急増する人口に対応し、住民サービスの向上などを目的として、自治体として法人化する機運が高まったのです。住民の間で行われた投票の結果、市としての設立が承認され、2003年に正式に「ドラル市」が誕生しました。

人口構成においては、2020年の国勢調査でヒスパニック系の住民が約8割を占めるなど、その比率が高いことが特徴です。これは、近年の移住や経済活動の活発化と関連が深いと考えられます。

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