ドリフト (2000年の映画)

ドリフト：裏社会に生きる青年の運命

2000年公開の香港映画『ドリフト』（原題：順流逆流、英題：Time and Tide）は、香港の裏社会を舞台に、青年タイラーの壮絶な運命を描いたアクションサスペンスです。

主人公タイラーは、ある出来事をきっかけに、レズビアンの女性警官ウォンと深く関わります。ウォンの出産費用を稼ぐため、元高利貸アンクル・ジーが経営する裏社会の警備会社に所属することになります。そこで彼は、富豪の娘ジョーとその夫であるジャックと知り合います。

一見、平穏な日々を送るタイラーでしたが、ジャックの正体は、アジア系南米人から構成される武装集団「エンジェル」の元メンバーであることが明らかになります。香港に進出したかつての仲間から、ジョーの父親であるハンを暗殺するよう命じられたジャックは、身重のジョーを守るため、「エンジェル」への叛旗を翻す決意をします。

しかし、運命の歯車は既に回り始めていました。「エンジェル」のボスをタイラーが警護していたのです。ジャックの決意は、タイラーを抗争へと巻き込み、逃れることのできない危険な状況に突き落とします。タイラーは、愛するウォン、ジョー、そして自身の命を守るため、壮絶な戦いを強いられることになるのです。

この映画の見どころは、複雑に絡み合う人間関係と、緊迫感あふれるアクションシーンです。タイラーを取り巻く人物たちは、それぞれに思惑を抱き、裏切りと策略が渦巻く世界で、彼は生き残りを賭けて戦います。

キャスト陣も豪華です。タイラー役を演じるのはニコラス・ツェー、ジャック/ファン役には台湾のロック歌手ウー・バイ、アンクル・ジー役にはアンソニー・ウォンが扮しています。その他にも、ミゲル役のジョペンティノ・コート・リモティギューもミュージシャンとして知られています。ジョー役のキャンディ・ロー、ウォン役のキャシー・チュイら、実力派俳優たちが脇を固め、物語に深みを与えています。

さらに、興味深いトリビアとして、前半に登場する殺し屋役には、日本のアクション監督である谷垣健治が出演していることが挙げられます。彼の参加が、映画のアクションシーンにどのような影響を与えたのかにも注目です。

『ドリフト』は、裏社会の暗部と人間の葛藤を描き、観る者を最後まで魅了する、見応えのある作品です。複雑なストーリー展開と、予測不能な展開に、息つく暇もない時間を過ごすことになるでしょう。アクション映画としてだけでなく、人間ドラマとしても高い完成度を誇る、おすすめの一本です。様々なサイトでレビューを確認し、ぜひ劇場で、もしくは配信で、このスリリングな物語を体験してみてください。

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