ドリーム福井号

ドリーム福井号：東京と福井を結んだ夜行高速バスの軌跡

ドリーム福井号は、1989年5月2日に運行を開始した、東京と福井を結ぶ夜行高速バスです。本記事では、ドリーム福井号だけでなく、同経路で運行されていた昼特急便、そして現在運行中の青春ドリーム福井号についても詳しく解説します。

路線概要

1989年、高速バス路線開設ブームの中で、ドリーム福井号は運行を開始しました。当時、東京～福井間には定期的な直行輸送機関がなく、この路線は両県庁所在地を結ぶ唯一の公共交通機関として、重要な役割を担っていました。運行開始当初から毎日3台のバスが運行され、需要の高さを物語っていました。1993年3月にJR西日本の夜行急行「能登」が福井まで乗り入れるまで、そして2001年3月に「能登」が短縮された後、2013年7月の高速路線バス新制度施行まで、両都市間を結ぶ唯一の公共交通機関でした。

2006年11月1日からは、京福バスと福井鉄道の2社による「昼特急」の運行も開始されました。上り便は朝に福井県内各地を出発し、午後3時頃に東京に到着。下り便は午前中に東京を出発し、夕方頃に福井県内各地に到着するダイヤでした。昼特急は繁忙期には運休し、夜行便の増便に対応していました。

ドリーム福井号と昼特急は、2023年12月1日に運行を休止し、現在は青春ドリーム福井号のみが運行しています。

愛称

夜行便は運行開始当初、特に愛称はありませんでしたが、1994年に乗車券の発券システムがマルスに収容された際、「ドリーム福井」という愛称がつけられました。昼行便も、各社で「東京線 昼特急」「福井⇔東京 昼特急」「昼特急福井○号」など、様々な名称で呼ばれていました。

運行会社

現在の運行会社

ジェイアールバス関東（青春ドリーム福井号のみ）

過去の運行会社

京福バス
福井鉄道

運行経路

運行開始当初は3社とも同一経路でしたが、現在は新東名高速道路を経由しています。運行休止前の京福・福鉄便は東名高速道路を経由していました。夜行便の2号車以降は、発着便枠の関係でバスタ新宿を通過します。

ドリーム福井号・昼特急 (2023年12月1日より運行休止)

京福バス・福井鉄道
新木場駅（夜行便のみ） - 東京駅（発：八重洲南口、着：日本橋口） - 新宿駅（バスタ新宿） - 池尻大橋（上り便のみ） - （首都高速道路） - （東名高速道路） - （名神高速道路） - （北陸自動車道） - 敦賀 - 武生 - 鯖江 - 福井IC - 福井北IC - 京福タクシー車庫前（下り便のみ）- 福井駅東口
休憩：足柄・浜名湖の両サービスエリア、神田パーキングエリア

青春ドリーム福井号

JRバス関東
東京ディズニーランド - 東京駅（発：八重洲南口、着：日本橋口） - 新宿駅（バスタ新宿） - （首都高速道路） - （東名高速道路） - （新東名高速道路） - （東名高速道路） - （名神高速道路） - （北陸自動車道） - 敦賀 - 武生 - 鯖江 - 福井IC - 福井北IC - 京福タクシー車庫前（下り便のみ）- 福井駅東口
休憩：鮎沢・藤枝・神田の各パーキングエリア、道の駅もっくる新城（乗務員交代）

停車停留所

各便の停車地は以下の通りです。黒塗りは乗車のみ、白抜きは降車のみ可能、矢印は通過を示します。

昼：昼特急
Dx：ドリームx号
青Dx：青春ドリームx号

運行回数

夜行便：1日2往復（京福・福鉄 <ドリーム福井1・2号> JRバス関東 <青春ドリーム福井1・2号>）
昼行便（昼特急）：1日1往復（京福 <上り>・福鉄 <下り>）

歴史

1989年5月2日：ジェイアールバス関東・京福電気鉄道・福井鉄道の3社により夜行便の共同運行開始（1日1往復、1便につき3台運行）。
1990年4月：停留所追加（鯖江IC）。
2000年4月1日：京福電気鉄道がバス事業を子会社（現京福バス）に譲渡。
2001年10月1日：新宿駅新南口経由に変更。JRバス便は中央道経由に。福井市内にバス停新設（福井IC、福井北IC）。
2004年12月17日：夜行便が1日2往復に増便。1・2号は東名高速、3・4号は中央道経由。
2006年11月1日：京福バスと福井鉄道による昼特急の共同運行開始。
2007年12月1日：上り便の東京駅到着場所を日本橋口に変更。
2008年9月1日：夜行便が全便新木場駅発着に。JRバス担当便にダブルデッカー導入。
2009年5月22日：福井駅東口再開発工事完成に伴い、停留所を「福井駅東口」と「京福タクシー車庫前」に変更。
2012年9月1日：夜行便3・4号が東京駅発着に短縮。
2016年4月4日：バスタ新宿開設に伴い、新宿駅新南口を廃止しバスタ新宿に停車。
2018年11月1日：JRバス関東担当の3・4号を4列シート車両に置換え、「青春ドリーム福井号」の運行を開始。
2018年12月21日：「青春ドリーム福井号」が東京ディズニーランドに延伸。
2019年6月21日：昼特急の運賃改定。
2019年10月1日：「ドリーム福井号」「青春ドリーム福井号」の運賃改定。
2020年4月10日：新型コロナウイルスの影響により「青春ドリーム福井号」が一時運休。
2020年4月13日：「ドリーム福井号」「昼特急福井号」が一時運休。
2022年5月13日：「青春ドリーム福井号」運行再開。
2022年7月1日：「ドリーム福井号」運行再開。
2023年12月1日：運転手不足の影響などにより、「ドリーム福井号」「昼特急福井号」の運行を休止。

使用車両

「ドリーム福井号」「昼特急号」（京福・福鉄）：独立3列シート・トイレ付き29人乗りスーパーハイデッカーまたはハイデッカー車両
「青春ドリーム福井号」 (JR)：4列シート・トイレ付40人乗りハイデッカー車両

京福バスの高速バス専用車両には「Highway Express」と表記されていましたが、2008年10月9日からは吉川壽一氏デザインの「SYOINGバス」塗装に変更されました。運行開始当初、福井鉄道と京福電気鉄道は後部4列回転シート付き31人乗り車両を使用。JRバス関東は2008年9月1日から2018年10月31日まで38人乗りダブルデッカーを使用しました。

乗車券の発売

乗車券は、乗車日の1ヶ月1日前から以下の場所で発売されています。

JRバス東京駅、バスタ新宿
高速バスネット
主な旅行会社（JTB、日本旅行、近畿日本ツーリスト、東武トップツアーズなど）
京福バスチケットセンター
京福エージェンシー
発車オ〜ライネット（京福バスが幹事会社）
福鉄主要駅
福鉄観光社

京福・福鉄では、高速バス予約センターで電話予約も可能です。空席があれば予約なしでも乗車できます。福井新聞には、向こう1週間分の予約状況が掲載されています。キャンセル待ちは受け付けていません。昼行便と夜行便では運賃が異なります。2014年6月23日からは、夜行便の運賃が変動制になり、往復割引は廃止されました。

その他

2008年12月25日から2009年3月31日まで、「ドリーム福井号」を利用した東京～福井・永平寺・東尋坊周遊きっぷ「えちぜんストーリー」を発売。
2009年3月2日から5月28日まで、「ドリーム福井号」の往復と敦賀市内のホテルモーニングプランをセットにした「ふらっと敦賀」を発売。

並行路線を運行する他の事業者

WILLER EXPRESS
KBライナー
中日本ハイウェイバス

脚注

外部リンク

京福バス 高速バス
福井鉄道 高速バス（福井 ⇔ 東京）
JRバス関東 ドリーム福井号

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