ドルフィー・ドリーム

ドルフィー・ドリーム（Dollfie Dream）

ドルフィー・ドリーム（DD）は、株式会社ボークスが製造・販売する、PVC（ポリ塩化ビニル）製の球体関節人形です。2003年8月に発表され、主に男性ファンをターゲットにしたドールシリーズとして展開されています。スーパードルフィー（SD）がフランス人形を彷彿とさせるのに対し、DDはアニメやゲームのキャラクターを再現したモデルが多いのが特徴です。もちろん、オリジナルモデルも存在します。

特徴

現在、一般販売されている素体は女性型のみですが、限定モデルでは男性キャラクターも登場します。DDのボディタイプには、成人女性型、幼児体型のミニドルフィー・ドリーム（MDD）、プロポーションを強調したドルフィー・ドリーム・ダイナマイト（DDdy）、そしてDDより少し背の低いドルフィー・ドリーム・シスター（DDS）があります。2017年には、DDSとMDDの中間サイズで内部フレームを一新したドルフィー・ドリーム・プリティ（DDP）も加わりました。

カスタマイズ用の素体やパーツも豊富に販売されており、体格を変えるためのパーツも入手可能です。ボディカラーはフレッシュ、ホワイト、セミホワイト、タンの4種類がありますが、素体としてはタン以外の3種類が販売されています。衣装やシューズは、DDとDDSがSD、MDDとDDPがMSDと互換性があり、サイズが合えば他社製品も着用可能です。ただし、DDdyは体格の関係でサイズが合わない場合があります。

ウィッグは専用サイズだけでなく、SD用や他社製も流用可能です。ヘッドパーツはアイホールが開いたタイプと閉じたタイプがあり、限定のメイク済みヘッドや植毛タイプもかつては販売されていました。また、DDにはスタンダードモデルの他に、店頭限定モデルのD’COORD（ディーコード）があり、ユーザーがコーディネートできる受付発注モデルも存在します。

ハンドパーツはノーマルハンドとデカハンドの2種類があり、「握り手」「開き手」「指差し手」など様々なバリエーションがあります。DDホワイトのハンドバリエーションはしばらく発売されていませんでしたが、後に店頭販売が開始されました。

欠点

PVC製であるため、色素の侵食による色移りが起こりやすいのが欠点です。頻繁な着せ替えや保護が必要ですが、色移りした場合はパーツ交換が必要です。後に「ドリームレスキュー」という除去剤が発売され、ある程度の色素除去が可能になりました。現在では、濃い色の衣類の裏地に白い布を縫い付けるなどの対策がされています。

初期のDDは関節が外れやすいという問題がありましたが、DD-f³ではねじ式のジョイントや脱落防止の仕組みが導入され、改善されています。MDDも初期にはフレーム破損が多かったですが、改良が加えられています。MDDは軸が少し露出する場合があり、気になる場合は軸の長さを調整する必要があります。

販売方法

DDの流通はイベント販売と、イベント後のボークス直営店や通販でのドルパアフターイベントに限られています。そのため、地方のユーザーは通販に頼らざるを得ない状況です。完成品は限定品が多く、時期を逃すと入手が難しくなることがあります。しかし、最近では受注生産の商品も増えており、以前よりは入手しやすくなっています。

素体の歴史

DD1系

初期モデルはテンションゴムを使用した関節でしたが、保持力が弱かったため、後に可動フレームが内蔵されるようになりました。ベースボディ2以降はヘッドパーツを旧型に装着することができ、衣装も互換性がありました。

DD2系

樹脂製可動フレーム（DDIF）が採用され、外皮も柔らかい素材に変更されました。DDdyがこの世代で登場し、MDDには最初から専用のDDIFが採用されました。外皮や胸部パーツ、ハンドパーツも発売されましたが、フレーム単体での販売はありませんでした。

DD3系

DDSを含む新設計のフレームが採用され、ボルトとナットを組み合わせた関節構造になりました。素材もABSとPOMを採用し、強度が向上しました。DD2との互換性も確保され、パーツを組み合わせることで身長を調整することが可能になりました。男性用素体のドルフィー・ドリーム・ボーイも登場しました。

DD-f³

DD系も素体を一新し、DD-f³仕様になりました。内部フレームはメンテナンス性や強度、可動性を考慮した設計で、関節の抜けが解消されています。DDPはDDSよりも少し小さく、中学生の体格を再現しています。MDDでは新たに『もちあし』という下半身の外皮がふくよかな素体も登場しました。

発売された完成モデル

スタンダードモデルや期間限定の受注モデル以外はすべて限定モデルです。各世代のボディタイプが発売されており、肌の色も様々です。

ドルフィー・ドリーム