ドレスデン聖十字架合唱団

ドレスデン聖十字架合唱団（Dresdner Kreuzchor）は、ドイツのドレスデンを拠点とする世界的に名高い少年合唱団です。その歴史は13世紀にまで遡り、ドレスデン聖十字架教会（Kreuzkirche）を本拠地としています。合唱団に所属する少年歌手たちは「クルツィアナー（Kruzianer）」と呼ばれ、その美しい歌声は世界中の聴衆を魅了してきました。

合唱団の指導者である合唱指揮者は「クロイツカントル（Kreuzkantor）」と呼ばれ、歴代のクロイツカントルの中には、作曲家としても知られるルドルフ・マウエルスベルガー（1889年 - 1971年）がいます。彼は、特に晩課祷の発展に大きく貢献し、毎年クリスマスの時期には、特別な音楽礼拝を執り行っていました。また、マウエルスベルガーの後任であるマルティン・フレーミヒの時代には、海外公演が積極的に行われるようになり、合唱団の名声はさらに高まりました。

ドレスデン聖十字架合唱団には、附属の寄宿舎付き学校であるクロイツギムナジウムが存在し、少年たちはここで教育を受けています。この学校は、ドレスデン＝シュトリーセン地区に位置しており、少年たちは卒業後、全寮制の学校に進むことが多いようです。合唱団は、その長い歴史の中で、カール・リヒター、テオ・アダム、ジークフリート・ハインリヒ、ペーター・シュライアー、オラフ・ベーア、ルネ・パープ、ハンス＝クリストフ・ラーデマンなど、数多くの著名な音楽家を輩出してきました。これらの音楽家たちは、合唱団で培った音楽的な基礎を活かし、世界各地の舞台で活躍しています。

現在、クロイツカントルを務めているのは、ロデリヒ・クライレ（1956年 - 、ミュンヘン出身）です。彼は、合唱団の伝統を受け継ぎながら、新たな音楽の可能性を追求し、合唱団の更なる発展に貢献しています。

合唱団の活動は、宗教音楽にとどまらず、世俗音楽にも及び、その幅広いレパートリーは、観客を魅了し続けています。また、定期的なコンサートや海外公演の他にも、レコーディング活動も積極的に行っており、その美しいハーモニーは、CDや配信を通じて世界中の音楽ファンに届けられています。

ドレスデン聖十字架合唱団は、単なる少年合唱団としてではなく、ドイツの音楽文化を代表する存在として、世界中で尊敬を集めています。その伝統と革新性、そして少年たちの清らかな歌声は、これからも多くの人々の心を豊かにしてくれるでしょう。

参考文献
Helfricht, Jürgen: Dresdner Kreuzchor und Kreuzkirche. Eine Chronik von 1206 bis heute. Husum, 2004, ISBN 3-89876-180-0

関連項目
ボーイソプラノ
少年合唱

外部リンク
公式HP（独語）
* ギムナジウムの歴史物語のURL'>クロイツギムナジウムの歴史物語（独語）

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