ドレッドノート級原子力潜水艦

ドレッドノート級原子力潜水艦

ドレッドノート級原子力潜水艦は、イギリス海軍が2030年代初頭からの運用を目指して建造している原子力弾道ミサイル潜水艦の艦級です。この艦級は、核弾頭を搭載した潜水艦発射弾道ミサイル（SLBM）を4隻計画しており、先代であるヴァンガード級の後継となります。この潜水艦は、イギリスの核抑止戦略を支える重要な役割を果たすのです。搭載するSLBMは、ヴァンガード級と同じトライデントII D-5とされており、今後の運用においてもその重要性が増してくるでしょう。

背景

イギリスの核兵器に関する状況は、1998年にイギリス空軍のWE.177核爆弾が退役して以降、原子力潜水艦が唯一の核の抑止手段となることを意味します。このため、イギリスの弾道ミサイル潜水艦が敵に検知されずに存在する限り、報復核攻撃の脅威に対して敵対勢力を抑止することが可能となります。戦略防衛レビューでは、イギリスが215発の核弾頭を維持しており、そのうち約120発が即戦力として利用される状態です。常時航海抑止政策の元で、1隻のヴァンガード級潜水艦が、最大16発のトライデントミサイルを搭載して常に警戒態勢を維持しています。これらの艦艇は、スコットランドのファスレーン海軍基地に拠点を置くという戦略の一環でもあります。

建造の決定

ドレッドノート級の建造に関する決定は、2011年に始まりました。イギリス政府はヴァンガード級の後継艦を建造する評価作業を認め、2015年の総選挙では4隻の潜水艦を建造することが掲げられました。2016年に下院での投票によって、この計画は472票対117票で承認され、ドレッドノート級の建造が具体化しました。しかし、この計画にはコストや核軍縮に関する議論が伴い、賛否が分かれました。

建造の状況

第1艦は2028年に就役する予定が立てられ、2016年にはBAEシステムズ・サブマリンズが運営するバロー＝イン＝ファーネス造船所での建造が始まりました。国防相は、2021年時点で予定通りに進んでいると発表しており、初のドレッドノート級潜水艦の就役は2030年代初頭に見込まれています。本級は約35年から40年の運用期間を予定しており、これは前級艦よりもかなり長い期間です。

今後の展望

ドレッドノート級潜水艦は、イギリス海軍の核抑止において重要な要素となることが期待されています。SLBMの運用能力と、持続的な抑止力の維持は、今後の国際関係や安全保障環境においても大きな意味を持つでしょう。したがって、ドレッドノート級の就役は、イギリスの防衛戦略において重要な一歩となり、今後の動向が注目されます。

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